松本国際高女子硬式野球部 大舞台で出し切った

全国高校女子硬式野球選手権に信州から単独チームで初出場を果たした松本国際(松本市)女子硬式野球部の夏が終わった。
兵庫県丹波市で開いている第25回大会で、埼玉栄と25日に対戦。大会最多7度の優勝を誇る強豪に全員野球で挑み、1─8で敗れはしたものの、四回には1点を奪うなど爪痕を残した。
当初、5人でスタートし、創部3年目の今年、初めて3学年で部員がそろい、22人で臨んだ今大会。今回から決勝の会場となる甲子園球場でプレーする夢は果たせなかったが、過去最多の40チームが出場した大舞台で力を出し切った。
「1、2年生が入部してくれたおかげで出場できた。常に笑顔と感謝を忘れずに野球を続けてほしい」。駒村真祐樹主将(3年)は、後輩たちに夢を託した。

支えてくれた仲間たちに感謝

先攻の松本国際は二回に6点、三回に1点を奪われ臨んだ四回。3連続安打で1死満塁の好機を作り、8番大関柚慧選手(1年)の左犠飛で三走の5番上木美実選手(2年)が本塁を突き、1点を返した。が、五回に1点追加され、7点差コールドで試合を終えた。
「個々のレベルの高さと経験の差を痛感した。選手たちは最後まで諦めずによく頑張った」。埼玉栄が母校の長田夏美監督(30)は、そう選手をねぎらった。
保護者から託された千羽鶴を手に試合に臨んだ駒村真祐樹主将。県内初の高校女子野球部の主将としてチームを引っ張ってきた。「全力プレーしたが力及ばなかった。今まで支えてくれた仲間や両親にありがとうと言いたい」と感謝の言葉を述べた。
エース小林美玲副主将(3年)は今大会のために変化球を磨き、スライダーやシンカーなど新しい武器を携え試合に挑んだ。埼玉栄戦では初回の1球目でストライクを出し、三振や中飛で三者凡退に打ち取った。「仲間を信じて投げ切った。試合には負けたけど、今までで一番いい投球ができたと思う」
ベンチでひときわ大きな声で声援を送っていた知久亜唯選手(3年)。ポジションは捕手だが、5月に左膝の靱帯(じんたい)を損傷、試合には出られなかったものの、サポート役に徹し、負けて泣き崩れる後輩や仲間たち一人一人に笑顔で声を掛けていた。