【野遊びのススメ】#14 秋の森でノルディック・ウオーキング

澄んだ空気自然感じて

澄んだ空気と森の中で、コロナ禍の運動不足や日ごろのストレスを解消したい!訪れたのは、国営アルプスあづみの公園大町・松川地区(大町市・松川村)。週末に実施される自然体験プログラムの一つ、「ノルディック・ウオーキング」に参加し、色づき始めた秋の森を歩いた。
ガイドは、同公園サポーター自然環境学習グループの山崎和美さん(58、同市常盤)。普及に取り組む「全日本ノルディック・ウォーク連盟」の講習会で学び、指導歴は10年以上という。
北欧フィンランド発祥のノルディック・ウオーキングは元々、クロスカントリースキーの選手が、夏場のトレーニングに始めた。2本のポールを使うことで「普通に歩くより運動効果が高い。健康増進はもちろん、リハビリや生活習慣病予防にも役立つ」と山崎さん。
この回の参加者は、記者を含む20~50代の男性4人。全員が初体験で、山崎さんにポールの使い方や歩き方のこつを念入りに教わる。
快適に歩いて十分な運動効果を得るにはまず、ポールの長さが大事だ。グリップを握った時、初心者は肘が直角になるくらいに、より運動量を増やしたいベテランやアスリートは、少し長めにする。手に装着するストラップも重要。きっちり巻くと手を離してもポールが落ちず、確かに歩きやすい。
ポールは、つえのように前に突くのではなく、斜め後方に突き、ぐっと体を前に押し出すような感じで歩く。下を向かず、目線は前に。まるで「4本足」で歩いているような、今までにない感覚が新鮮だ。
園内の紅葉の見ごろは10月下旬~11月上旬。少し早かったが、木製チップが敷かれた散策路「キツツキの小道」は、足元がふかふかで、歩くのが心地よい。森の茂みから差し込む木漏れ日が、きらきらと輝く。
デイキャンプ場近くには、ウコギ科の「チドメグサ」が足元に広がる。名前の通り、傷口にすり込むと血が止まる野草で「子どものころ、顔や手にくっつけて遊んだ」と山崎さん。
クヌギの木の下に落ちていたドングリには、体長8ミリほどの奇妙な形をした昆虫が!ゾウムシの仲間といい、木の実にしがみつく姿が愛らしい。
気がつけば歩き始めて1時間半。全身にしっとりと汗をかいた。ノルディック・ウオーキングは特に上半身の筋肉を使うため、普通に歩くより足腰や膝への負担が少なく感じ、長時間でも楽に歩けた。

インフォメーション
【紅葉を楽しむノルディック・ウオーキング】11月23日までの土日曜と祝日。午前(受け付け9時45分~10時半)、午後(同0時45分~1時半)の1日2回、インフォメーションセンターに集合。各回定員4組。参加料、用具の貸し出し無料(入園料は別途必要)。同園大町・松川地区管理センターTEL0261・21・1212