「幸せに生きていける力」を
いい子に育てなきゃ、いい親と思われなきゃ…。そんな「呪い」を自分自身にかけているママパパは少なくありません。そもそも「いい子」とはどんな子でしょうか?子育ての中で陥りやすい思い込みや誤解、子どもの将来のコミュニケーション能力を育てるために必要なヒントを、マザーズコーチングスクール認定講師の和田春菜さん(35、松本市)に聞きました。6回に分けて紹介します。
子どもに関わる仕事を10年以上していますが、親御さんが来ると急に「いい子」になる子がいます。子どもたちは親の顔色にとても敏感。親の気持ちを知っていて態度を変えるのだと思いますが、少し心配です。
親が考える「いい子」は大人に口答えをしない子、親の思い通りに行動する子でしょうか?そういう子は親にとって都合のいい子ではないでしょうか?
子育てでは、子どもが我慢をしていい子を演じるのではなく、「幸せに生きていける力」を授けることが大事だと思います。子育ての根本には、子どもが幸せに生きていってほしいという願いがありますよね。人に嫌われないようになってほしい、人と良い関係を築けるようになってほしいと。
でもそれは親の押し付けかもしれません。親が願ういい子になろうとして自分の気持ちを押し殺してしまったり、やりたいことができなかったりしたら、むしろ幸せから遠ざかってしまうかもしれません。
誰でも「いい子」の時、「いじわるな子」の時、「ずるい子」の時があります。それはとても自然なこと。常に「いい子でいなければ」という呪いが子どもを縛り、幸せに生きていくことを妨げていたとしたら残念です。
人を大切にしながら自分も大切にする。そのバランスをしなやかに取るためのコミュニケーション力を親御さんは伝えていってほしいと思います。