3×3バスケ「ダイナブラックス」始動

3人制バスケットボールの男子プロリーグ参入を目指す「信州松本ダイナブラックス」は、トライアウトなどで選考した選手4人と昨年末までに契約を結び、チームが始動した。松本市出身のゼネラルマネジャー兼選手で、男子Bリーグの信州ブレイブウォリアーズ(BW)でもプレーした武井弘明(30)を中心に「地域に新たなプロスポーツを」と意気込む。

スピード感魅力 観戦を楽しんで

チーム名の「ダイナ」は力強さや若々しさ、「ブラックス」は松本城のイメージから。「BLACX」という表記の「X」は、チームがいろいろな人の交差点、文化などが交わる場所でありたいという願いを込めた。チームカラーはもちろん黒だ。
ストリート文化から生まれた3人制バスケット「3×3(スリーエックススリー)」は、コートの大きさは5人制の半分ほどで、ゴールは1つ。攻守がめまぐるしく入れ替わるスピード感が魅力で、昨夏の東京五輪で正式種目になった。
ダイナブラックスが拠点とする松本には、Jリーグの松本山雅FCがつくった、スポーツで地域が盛り上がる文化がある。新たな競技のチームは、当面は観戦するファンを楽しませることで、地域への浸透を図る。武井は「今は日本一を目指すべきではない。まずは日々成長し、その結果を先につなげたい」と足元を見詰める。

アプリや日常着 関わり方多彩に

チームのオーナーで、イベント企画会社を経営する山崎孝一郎さん(27、松本市)は「3×3はスタジアムや体育館に足を運ばなくても、街中で幅広い世代に見てもらえるのが利点」とし、店で利用できるポイントが加算される、チーム仕様のウオーキングアプリを開発したり、しゃれた日常着をデザインして販売する、アパレルの分野にも切り込んだりしようとしている。
「見て楽しむ、運営に携わるなど、関わり方はいろいろ。多くの人がダイナブラックスと触れ合ってほしい」と武井。一歩目を踏み出したチームは、松本や県内の人たちの心をつかみ、“黒い旋風”を巻き起こせるか。その戦いに注目だ。

【3人制バスケットのプロリーグ】 大会名は「3×3.EXEPREMIER(エグゼプレミア)」。男女別の国際リーグで、昨季は日本(男子42、女子6)、台湾(男子12、女子6)、タイ(同)、ニュージーランド(男子12)の計96チームが参加した。
本拠地が近い6チームで1つのカンファレンスを構成。カンファレンス内でレギュラーシーズンを戦い、上位2チームがプレーオフに進む。
参入の可否は、大会事務局が運営資金の見通しやチーム設立のビジョン、継続性などを審査して決める。