鉢盛中の3人 スピードスケート全中で躍動 土台は地元のクラブ

鉢盛中学校(朝日村)の村山夏愛(かあい)さん(3年)、西尾友里(ゆり)さん(同)、桃井瑠璃音(るりね)さん(1年)が、全国中学校スケート大会(2月3~6日、長野市)スピードスケートで躍動した。村山さんは500メートル2位と千メートル3位、西尾さんが千メートル2位と500メートル3位と、2種目の表彰台を飾り、桃井さんが1年生ながら3千メートルで堂々の6位入賞だ。
共に「1位を狙っていた」という3年生2人。大会1週間前にけがをした村山さんは「間に合わないかもしれない状況だったが、やれる事はやった」。西尾さんは「500はスタートなどでミスが出た。千は持久力が足りなかった」と悔しがった。初出場の桃井さんは「緊張したが、1周ごとのタイムを遅らせないなど、練習を生かせた」と話した。
今井小学校(松本市)の保護者らが指導する、今井スケートクラブで競技を始めた3人。中学生になると指導を受け続けることが難しいため、村山さんは宮田村、西尾さんは下諏訪町が拠点のクラブで、桃井さんは父親と2人3脚で|と、異なる環境で取り組んできた。高校進学後も村山さんは同じクラブで、西尾さんは北海道で、トップを目指し競技を続けるという。
今井のクラブで指導する村山さんの父、育朗さんは「身近な人が全国で活躍する姿を見て、後に続く子が出てくれば」と話す。同クラブの在籍者は1人。今大会で中信からの出場は3人のみだ。
松本市郊外にあった浅間温泉国際スケートセンターの閉場前は、市民レベルの大会が2月に開かれた。スケートに親しむ児童らが気軽に大会に参加でき、競技を始めるきっかけの一つだった。近年は中信地区の大会の会場が岡谷市になり、開催時期も早まった。児童が氷に親しんだ頃には出場エントリーが間に合わなくなってきた。
育朗さんは「スケートクラブの活動も、途切れたら終わってしまう。気軽にスケートを楽しめる環境を、周りの大人がつくらなければ」と話した。