【子育ての呪い捨てませんか】 マザーズコーチング和田春菜さんに聞く(3)

楽をするのはずるいこと?

「楽をするのはずるいこと。我慢することこそが頑張っている現れだ」。そんな呪いが今もあると感じるときがあります。
例えば漢字の書き取り。同じ字を何度も書くことが全ての子どもに必要でしょうか?効率が悪くても成果がなくても、我慢して言われたことをやるべき─という考えを持つお母さんたちもいるのではないでしょうか。
書き取りの目的は、漢字の読み書きができるようになることです。書くのが得意な子には適切な方法だと思いますが、苦手な子にとっては何回書いても目的にたどり着かず、時間も気力も消耗してしまうかも。これで養えるのは、言われたことをやる(やらされる)力だけという気もします。
字の成り立ちを動画で見るなど、効率よく覚えられる別のやり方があるかもしれません。そうして節約できた時間と気力を、心から学びたいことに使う方がいいと私は思います。
これからの子どもたちが生きていく未来は、みんなが同じ方法でやる|ということが通用する時代ではないでしょう。実際、人工知能(AI)を搭載した学習アプリなども授業で使われ始め、個人の理解度や学習ペースに応じて知識を身に付け、主体的に学ぶ力を育てる取り組みが始まっています。
私は高校のチアリーディング部を指導していて、大会が終わるたびに「振り返り文」を提出してもらいます。目的は自分の行動と結果を振り返ることなので、手書きが苦手な子はパソコンでもOK。物事に取り組むときは目的を正確に把握し、それを実現する行動が必要な努力なのか、無駄な我慢なのかを見極める姿勢を手渡していきたいですね。