【ガンズリポート】シゴトを語る #13 フットボール部強化担当・白珉準(ペク・ミンジュン)さん

韓国語通訳から強化担当へ

今年で山雅に来て6年目になります。韓国語通訳を5シーズン務め、今季から強化担当になりました。トップチームの練習のサポートから他チーム選手のスカウティング、トップチームに関わる事務作業など、多種多様な業務を行っています。
出身は韓国で、小学生からサッカーを始めました。高校2年生の時、親の勧めもあり、日本のサッカー技術を学びたくて留学を決心しました。
九州にある大分高校へ留学しました。親の期待に応えたい気持ちが強く、毎日サッカーの技術向上と日本語を習得することに必死でした。
その後、大学へ進学し、社会人まで日本でサッカーをしましたが、膝を負傷し、手術後もコンディションが戻らず、韓国へ帰ることを決断しました。その後、義務である兵役を1年9カ月間務めました。
通訳の仕事は、以前に山雅で韓国語通訳を務めた李善雨(イ・スンウ)さんに紹介していただきました。私自身、再び日本に行くのは悩みましたが、大学時代の後輩である野村直輝選手(現J2大分)に山雅のことを尋ねると、「すごくいいクラブだ」と勧めてくれたので、決心しました。
2年ぶりの日本だったこともあり、初めは言語の壁を感じました。特に、日本語にあって韓国語にない言葉や、その逆の言葉が出てきた時は大変でした。
例えば、「こだわる」は韓国語にありません。使われている意味合いに応じ、その場面にふさわしい韓国語に訳します。他人が言うことを、そのまま言語を換えて伝えるのは難しいです。
監督が指示した通りに選手がプレーをすると、やりがいを感じます。通訳の仕事の他、韓国人選手と食事に行ったり、相談に乗ったり、兄のような役割もありました。
今後の人生を見据えた際に、以前から「強化の仕事に興味がある」と会社に伝えており、今季から学ばせてもらっています。
山雅で驚いたのは、熱心なサポーターです。リーグ戦で試合前のウオーミングアップを手伝うためピッチに出ると、応援のチャントに毎回鳥肌が立ちました。どんな状況でもサポーターはずっと熱く応援してくれています。これからも常に向上心を持って、山雅の飛躍とJ2昇格に貢献できるよう頑張ります。