【ガンズリポート】Z世代に人気管楽器ガールズグループ「MOS」 3月9日ホーム開幕戦ライブ

J2復帰へ号砲の音色

松本山雅FCの今季ホーム開幕戦・3月9日のYSCC横浜戦で、管楽器ガールズグループ「MOS(モス)」がスタジアムライブを披露する。SNSのフォロワーが計130万人を超える4人組。「もっと若い世代をサンプロアルウィンに引きつけたい」と、山雅の運営会社が企画した。J2復帰への号砲となる音色を響かせる。(村上研志)
試合前とハーフタイムにピッチに登場し、オリジナル曲のほか、山雅のチャント(応援歌)も演奏する。
モスは2017年に結成。途中で加入し、トランペットを担当するMiyu(ミユ)さんは松本市出身だ。コンセプトは「ブラス&ダンス」、略して“ブラダン”。質の高い吹奏楽を聞かせながら、演奏者がキレのある動きも見せる。クラシックよりぐっとポップ寄りだ。
SNSの中でも、特に短い動画が投稿される「TikTok(ティックトック)」で注目を集め、このアプリだけでフォロワーは110万人に迫る。7、8割は海外のユーザーという。言葉いらずのパフォーマンスは昨年、米国の人気オーディション番組でも高い評価を受けた。
今回の出演は、ミユさんが松本出身という縁で、「何か一緒にできないか」と山雅に相談したのがきっかけ。クラブ側にも「特にZ世代に(サンアルへの来場を)働きかけたい」という思いがあり、ライブ企画が実現した。
モスは昨年7月のJ1神戸-鳥栖戦でも演奏し、試合はホームの神戸が逆転勝ちして首位に浮上、初優勝へ勢いづいた。躍動的な旋律を奏でる4人組が、山雅にとっても「勝利の女神」となるか。

「演奏めちゃめちゃうれしい」 松本出身Miyuさん

「サンアルで演奏できるのは、めちゃめちゃうれしい。それもホーム開幕戦。『モスに出てもらってよかった』と言われるようにしたい」と、地元でのイベント初出演を楽しみにしているミユさん。
小学4年生の時に、マーチングバンドで吹き始めたトランペットは、管楽器では小さい方。仲間内の人気はいまひとつだったが、「かっこいいと思った」。普段は引っ込み思案なのに、トランペットで自分を表現できる感覚があったという。
中学時代に、吹奏楽団やオーケストラで演奏を続けたいと将来像を描いた。小諸高校音楽科に進み、東京の音楽大学に入った。
モスには観客として出会った。聞いても見ても楽しげなブラダンは「小さい子から大人まで、どの層も楽しめる」。観客が自然と体を動かすエンターテインメント性の高さに「これがやってみたかった」と感じた。王道のクラシックから方向転換し、メンバー入りした。
ミユさん自身もサッカーファンで、「パワフルで明るいモスの音楽は、サッカーにも合うと思う」。演奏で故郷のクラブの集客と勝利を後押しする。