「野溝箒」ストラップに 松本市芳川地区の伝統 振興会がPR

松本市観光情報センター(大手3)は、江戸時代から同市芳川地区に伝わる野溝箒(ほうき)のミニチュア版「箒ストラップ」の展示販売を始めた。国内外から訪れる人に知ってもらう機会になっている。
伝統技術の継承に取り組む「野溝箒振興会」の会員が作った長さ約15~20センチのほうきで、赤・青・虹色などのカラフルな糸で編んである。飾ったり持ち歩いたりでき、机やパソコンの掃除、服のほこり取りなどにも使える。1本2千円。
昨年度まで芳川公民館長を務めた同センター長の柏澤由紀一さん(68、平田西)が、多くの人の目に触れる機会にと展示販売を提案。同センターには4月、約6500人(うち千人が外国から)の観光客が訪れ、ストラップを見て「わ~きれい!」といった声が聞こえたという。柏澤さんは「自分が生まれた地域の伝統の技をぜひPRし、売れるところまでつなげたい」と話す。
同振興会は、途絶えかけた伝統技術を後世につなげようと地元の住民有志で立ち上げた野溝箒プロジェクトの移行団体として昨年度発足。プロジェクトメンバーのほとんどが振興会へ入り、現在24人で活動している。窪田好昭会長(68、野溝西)は「野溝箒は柔らかく使いやすい。振興会の今年の目標は、一人1本売れる箒を作ること」。JAまつりでも販売を予定しているという。