朝日村で防災士が防災知識講座

朝日村出身の防災士、山﨑佳典さん(42、松本市島内)は10日、「考えよう今すぐできる防災」と題して、防災や自助について考える講座を同村中央公民館で開いた。各地で講座を担当する山﨑さんが「災害が頻発し、意識が高まっている今こそ考える機会を」と自ら主催。参加した4人がメモを取りながら熱心に聞いた。
山﨑さんは「想定外のことが起きた時に柔軟に対応できるよう、知識を備えて」と話し、家具の固定など自身が行っている対策を紹介。枕元に置いている「踏み抜き防止中敷きを入れた履きやすい靴・軍手・靴下」の3点セットや、日頃から持ち歩いている水やライトなどを入れたバッグ、自作の簡易トイレや電池、新聞紙などを入れた非常用持ち出しバッグを見せると、参加者は手に取って熱心に質問していた。
能登半島地震では、災害時には無償で製品が提供される「災害対応型自動販売機」を被災者が知らず、破壊して飲み物を取り出す行為があったことに触れると、参加者からは「そんな販売機があることは知らなかった」「知識は必要だね」との声が。
また「防災は都会目線になりがち。ガスと鍋で米を炊いたり、みそ炊きをして1年分備蓄したりと、米や野菜があるこの地ならではの訓練や対策を考えては」と話すと、納得する声が上がっていた。
山﨑さんは「人ごとではなく、日本にいる限りどこでも震度7の地震は起こり得るし、自分が被災者になり得る。少しの知識や準備が運命を決めるので、まずは自助の取り組みを考えてほしい」と話していた。