浮世絵 町民目線で―市立博物館「酒井コレクション」特別展

松本市立博物館(大手3)で特別展「至極の大衆文化浮世絵|酒井コレクション|」が開催中だ。日本浮世絵博物館(島立)が所蔵する、日本三大コレクションの一つといわれる酒井コレクションから、江戸時代の庶民文化がうかがえる作品など約50点を展示している。
一点ものの肉筆画をはじめ、町民の暮らしや流行、身近な動物などを、暮らしに密着した七つのテーマで紹介。
人物や物の影を障子に映して遊ぶ際に使われた「影絵」や、大勢の人を寄せ集め、男性の顔を描いた「寄せ絵」も。歌川国貞(三代豊国)が最晩年に制作した役者大首絵シリーズから「揚巻の助六市川団十郎三升」など、特に高い技術が用いられた作品も紹介している。
日本浮世絵博物館は、松本で江戸時代から紙などを扱う問屋業を営んだ酒井家が、5代にわたり収集した浮世絵を公開。本展のために、通常は作品保護のため公開していない葛飾北斎の「富嶽(ふがく)三十六景神奈川沖浪裏」(1月22日まで)や、喜多川歌麿の肉筆画「福禄寿三星図」(同24日から)といった名品も並べた。
担当する学芸員の本間花梨さんは「江戸の町民の目線で、浮世絵の魅力を知ってもらえるので楽しんでほしい」と話す。
前期は2月4日まで、後期は同10日~3月3日。展示品は前後期で全て入れ替える。午前9時~午後5時。火曜休館。特別展は大人千円、大学生600円(常設展とのセット券200円増し)。高校生以下無料。同館電話0263・32・0133