【ガンズリポート】マッチレビュー 14節・18日山雅1-1北九州

量より質の決定力を

松本山雅FCは前半8分に先制、ほとんどの時間帯を1点リードで試合を進めたが、後半ロスタイムの失点で勝ち点2を失った。シュート数でリーグトップクラスの攻撃は、この試合も追加点の好機を何度もつくったが、突き放せなかった。

J3トップ級のシュート数に得点伴わず

「2点目を取ればゲームオーバーだったが、なかなか取れない。2点目を取る努力、技術、気持ちが足りなかった」。試合後の記者会見で、霜田正浩監督は嘆いた。
今季のデータを見る限り、毎試合のように複数得点してもおかしくない。1試合の平均シュート数は、この試合の前まででJ3トップの14.5本。だが、平均得点は1位の金沢の1.9点に遠く及ばず、7位の1.4点。シュート決定率9.6%(10位)が足を引っ張っている。
山雅が今季リーグ戦で唯一3得点したのが11節のホーム富山戦(4月28日)で、放ったシュートは8本。量ではなく質の問題という決定力の課題が際立つ。
北九州戦のシュートも7本にとどまったが、決定機はあった。後半、MF佐相壱明はフリーで放ったが、GKの正面。MF菊井悠介はスルーパスに抜け出しながら、最後は相手DFに阻まれた。
相手は今季1試合平均0.7得点。決めていればゲームオーバーだったかはともかく、勝つ確率は格段に高まった。2人は試合後、2点目を取れなかったことをそろって悔やんだ。
山雅は昨季もリーグ2位のシュートを放ちながら、それに見合う得点を決められなかった。「攻撃的」を掲げる霜田サッカーは、今季も決定力不足という宿痾(しゅくあ)に苦しんでいる。