【ガンズリポート】マッチレビュー 24節・8月26日 山雅1-1今治

村越思いを示す同点弾

ピッチに松本山雅FCの12人目の選手がいるかのようだった。右のゴールポストだ。相手のシュートを2度はじき返し、試合終了間際にはMF村越凱光(かいが)の同点弾を“アシスト”。おかげで山雅は勝ち点1を得た。

ゴールポストがアシスト「勝ち点1」

ポストに救われたのは、前後半に1度ずつ。GK村山智彦の手が届かないボールの行く手に白い円柱が立ちはだかり、サポーターから安堵(あんど)ともため息ともつかない声が漏れた。
歓喜がもたらされたのは後半42分。左CKで、DF常田克人のヘディングシュートがポストをたたき、跳ね返りが村越の足元へぴたり。21歳が反応よく左足で合わせた。
村越は普段、CKの際にゴール至近に位置取ることはないというが、この試合では武石康平コーチから指示を受け、「来そうだな、という感覚があった」。チャンスを生かす準備ができていた。
ベースにあったのは「チームに貢献したい」という強い思いだ。7月1日の愛媛戦で一発退場し、出場停止と負傷で7戦ピッチから遠ざかった。が、けがが癒えるとすぐに起用された。
「(自分は)信頼されている、責任ある存在なんだと実感した」と村越。起死回生の同点弾に一役買ったのが、同じく愛媛戦で退場になった武石コーチというのは、巡り合わせか。
ポストに助けられた山雅だが、一方で何度も相手GKの好守に阻まれた。「決められなかった選手たちはもう一度、『どうしても自分が決める』という気持ちを込めて、シュートを打ってほしい」と霜田正浩監督。選手もチームも、内容より結果が求められる段階に来ている。