【ガンズリポート】フットサルで患者や障がい者と交流 5年目 治癒や社会復帰に好影響

福祉施設などに呼びかけ 活動の幅広げて

スポーツを心の健康づくりにも役立てようと、松本山雅FCの運営会社が「虹の村診療所」(安曇野市穂高有明)と一緒に企画した、フットサルを楽しむ活動が5年目を迎えた。精神や心の病、体の不調を抱える利用者に好影響があるという。交流の輪を広げるため今春から、障がい者福祉施設などにも参加を呼びかけている。
山雅と虹の村診療所のフットサル交流は2020年に始まった。月1回、山雅のスクールコーチの指導の下、最初はボールを使った簡単な運動に取り組む。2チームに分かれてバレーボールコートに散り、たくさんのボールをひたすら相手陣に送り込み合う遊び。テーマを決めて単語を挙げていく「山手線ゲーム」をしながらのパス練習…。コーチの声に乗せられ、体と心をほぐしていく。
最後は試合形式でプレー。けが防止のため、走ることや接触を禁じるウオーキングサッカー方式で楽しむ。
自身も参加する診療所ケースワーカーの中西唯さんは「スポーツは心身の健康を促す。山雅のコーチにサッカーの楽しさを教えてもらえるのは、ぜいたくでもある」と喜ぶ。
診療所スタッフの山田顕司さんは、活動が社会復帰に役立つと感じている。参加者の中には、利用する就労継続支援事業所が、一般就労が難しいB型から、雇用契約を結んで最低賃金が保証されるA型に替わった人がいるという。
交流や活動の効果を広げたい山雅と診療所の呼びかけに応じ、5月は知的障がい者などの福祉施設「ドリームワークス」(松本市神林)の利用者が参加。診療所の利用者らとすぐに打ち解け、試合では「ナイスプレー」「惜しい」といった声や拍手が飛び交った。
ドリームワークス利用者の武富由佳さんは「サッカーが好きなので参加した。面白かった」と笑顔。施設長の小野沢ハレルさんは「普段スポーツをする機会がないので、ありがたい」。
6月13日は診療所と、松本市社会福祉協議会が運営する就労継続支援B型事業所「松本市希望の家」(双葉)の利用者が一緒に活動する予定。
山雅企画宣伝部のボアンポン賢さんは「障がい者スポーツという枠組みで、活動の幅や活動者の裾野を広げていきたい」と話す。問い合わせは松本山雅℡0263・88・5490