みんなで知恵絞る時間楽しむ 安曇野・豊科「カフェ・エンゼル」常連客からパズルを解く輪

安曇野市豊科のカフェで毎週、「パズルを解く輪」ができる。常連客の一人が「クロスワード」や「間違い探し」をみんなで解こうと、問題を持参してくるのだ。カップの取っ手の代わりに鉛筆を持って、一緒に悩んだり、教え合ったり。パズルが豊かな時間を過ごすツールになっている。
「輪」ができるのは、JR豊科駅近くの建物の2階にある「カフェ・エンゼル」。店へ続く階段を、宮田進次さん(68、松川村)は紙の束を携えて上る。パズルが印刷された紙だ。店内でなじみの顔を見つけると、「さあどうぞ」と手渡す。
なじみ客の一人で近くに住む栗林尚子さん(70)。この日も、自身が席に着くと、店が出す水より先に、宮田さんがパズルの紙を前に置いた。栗林さんは店主に「いつもの」と注文した後、鉛筆を手に取った。これも宮田さんが持ってきたもので、消しゴムの準備もある。
取りかかったのは間違い探し。最後の一つに少し手間取ったが、「分かった!」。「よかった」と宮田さんも喜んだ。
「仕事にもいいんですよ」と栗林さん。注意力が職場の衛生管理に役に立つという。「今日のは簡単だった」。満足そうに、ちょうど運ばれてきた飲み物を口にした。

問題持参の宮田さん「生活の一部に」

宮田さんの本業は塗装業。忙しい頃は気にも留めなかった新聞掲載のパズルだが、3、4年前、ふとやってみると、「案外はまった」。「答えが出た時の面白さをできるだけ多くの人と楽しみたい」と思った時に頭に浮かんだ場所が、よく通っていたカフェ・エンゼルだった。
新聞のパズル欄を切り抜き、近くのコンビニで問題と解答を別々にコピーする。自分が病気で目を悪くしたこともあってA3判に拡大。無償で店に持ち込むようにした。店の売り上げにはならないが、店主の笠井昌子さん(72)は「みんなでわいわい言って知恵を絞る、いい時間がお店にできた」と歓迎している。
「それに、ぼけ防止になる」と客も店主も声をそろえる。頭の運動と会話の種にパズルがなっている。
「自分からはパズルはやらないが、ここに来るとあるから」と栗林さん。宮田さんは「分かったをみんなで分かち合うのが気持ちいい。生活の一部になった」とやりがいを語る。