オーナーズワンオペレーション

【おはら・ゆうじろう】42歳。東京農業大国際食料情報学部食料環境経済学科卒。都内飲食店勤務を経て2025年9月創業。
ジローズ
松本市元町3-4-36
―料理の道への憧れ
松本市城東で⽣まれ育ち、清⽔⼩学校から卓球を始め、松本美須々ケ丘⾼校卓球部に所属していました。部活引退後の短い期間でしたが、当時市内にあったイタリアンレストランでアルバイトをしました。
カッコいい―。シンプルに調理の道に憧れを持ちました。調理は楽しいし、料理⻑はおしゃれな⽅でした。その料理⻑から「どうせやるなら、⾃分の店を持つつもりでやれ」と⾔われながら仕事をしていました。
その後も、深く⼼に留めていましたが、20年以上経過し、ようやく店を出すことができました。
いつか、お店を持てたことを知ってもらい、感謝を伝えることができたらうれしです。
―修業の⽇々と帰郷
東京農業⼤在学中は、飲⾷店のアルバイトを続けました。カフェで働いていると、先輩から「ホテルで働くと、基礎から学ぶことができる」と教えてもらいました。
そのアドバイスを受け、ホテルで、2年ほど飲⾷業の基礎を学ぶことができました。また、会社組織を学べた点も⼤きかったです。 要領良く仕事ができるタイプではなかったので、⽇々努⼒を続けました。そんな中、⺟が⼤病を患ったことをきっかけに、松本に戻りました。
帰郷後、松本市内の⽼舗フレンチレストランでお世話になりました。
⺟が元気になって5年ほど経過すると、もう⼀度東京でチャレンジしたい気持ちが強くなりました。両親は残ってほしかったと思うのですが、学⽣時代のア
ルバイトで縁のあった東京・⽬⿊のお店にお世話になりました。8年ほど働きましたが、その間に、⼤好きだった祖⽗⺟が亡くなり、「孫の飲⾷店」オープンを⾒せてあげられなかったことを深く後悔しました。
コロナ禍の影響で東京のお店も閉店となり、家族からの「帰っておいで」の⾔葉に背中を押され、⾃分の店を持つつもりで帰郷しました。
―シンプルに3品
帰郷後の2024年7⽉、松本商⼯会議所に創業の相談に⾏きました。その時点では何も⾛り出さなかったのですが、資⾦の相談など⼤まかなプランを考え始めました。⾃⼰資⾦を作るため、ホテルでスイーツの仕事などをし、さらにカフェを経営している⾼校時代の友⼈の店でも働かせてもらいました。
「らーめん屋 がったぼうず」の店主にも⼤変お世話になりました。彼は同世代で⾼校時代は卓球で対戦したこともあります。
その中で彼が、空き店舗があることを教えてくれて、「やるなら早くやった⽅がいい」と勧められました。昨年6⽉に松本商⼯会議所に再度相談に⾏きました。
まず希望を伝えました。「スタッフ0でやりたい、パスタとカレーのコンセプ
トでやりたい。1⼈でやるから3品で勝負したい。ラーメン屋さんのような感覚で、種類が少なくて回転率がいいシステムは、パスタでもできる可能性があると思う。 しょうゆラーメンがトマトソースのパスタで、みそラーメンがクリーム系、チャーハンがカレーのイメージ。ゆで時間がラーメンよりも⻑いから、多少回転率に影響が出るけれど……」
―アイデアの具現化
⾃分の考えが通⽤するのか不安でしたが、親⾝になって相談に乗ってくれました。
「12席に設定し、予約不要の形式にする。⾷券制にするとお⾦を触らないで済むから、いちいち⼿を洗わずに済む。⾷べ終わった⽫を⼩まめに洗わず、⼀度に集約させるようにしたらどうか、壁の裏側に洗い物置き場を設置すれば、⾒た⽬も作業導線も悪くない、ソフトドリンクも⽸にして貯⾦箱システムにするとか……」
オーナーオンリーのオペレーションを可能にすべくアイデアを交互に出し合って形にしていきました。
パスタは東京で学んだことを反映しています。クリーム系は、⽣クリームにみそとゴマを出汁の感覚で⼊れ、煮詰め過ぎず、サラサラにして⽩髪ねぎと⼤葉で仕上げた和⾵テイストです。トマトソースは逆に煮詰めたポモドーロ、カレーは焦がしバターと野菜とスパイスの⾹りを焼き戻したものを、リーズナブルに提供しています。
とにかくワンオペなのでまずは、週4営業(⾦⼟⽇⽉曜)で万全の体制を整えていきたいです。効率性も考慮に⼊れましたが、⼀緒に働く仲間を増やしゆっくりくつろげる空間にすることが⽬標です。
(聞き書き・田中信太郎)


