
松川村のシニア世代有志が村すずの音ホールの一角で毎週月曜に開く、誰もが立ち寄れる居場所「喜楽カフェ どっこい所」。開設3年目を迎え、回数は100回余となった。1日平均40~50人が訪れる居心地の良い空間は、地域にすっかり定着した。
同じ建物内の図書館などを利用するついでに立ち寄り、参加協力金100円を払えばコーヒーや茶を飲み自由にくつろげる。シニア世代を主に、居合わせた人でおしゃべりする傍ら、折り紙やクラフトを楽しむテーブル、読書にふける姿もある。
いろんな人が憩う雰囲気に、各種資格などを持つ地元住民や病院などが注目し、この場で相談コーナーや出前講座を開くようにもなった。みんなの居場所として、存在感を増している。
地域に定着〝居場所〟楽しむ
「喜楽カフェ どっこい所」を運営するのは、県長寿社会開発センター大北地区賛助会松川グループの有志5人。1人暮らし高齢者や高齢世帯、子育て世代や若い人を含め、いろいろな世代が〝気楽に〟集える地域の居場所の必要性を感じ、2024年1月下旬から開設している。
「いらっしゃいませ」。そろいのエプロン姿のスタッフと、活動を手伝う村内外のサポーターが笑顔で出迎えると、訪れる人の表情がほっとほぐれる。円形テーブルに着き、おしゃべり。孫やひ孫、自宅のひな人形のことなど、聞こえてくる話題は多彩だ。Iターン者が情報やつながりを求めて来場したり、スタッフらが腰かけて一緒に話したりもする。
得意な人が折り紙やクラフトを教えたり、絵でしり取りを楽しんだり。健康運動指導士の資格を持つサポーターによるストレッチ運動や、別室でのレコード鑑賞会など、趣味や興味を広げる時間も設けている。
1月に初めて訪れた70代女性は「誘われて来るまでは一人だと入りにくかったが、知った顔もいて楽しい空間」。80代の1人暮らし女性は「月曜はここに来ないと寂しくて」と感謝していた。
健康悩み相談やがん出前講座も
「みんなの居場所」がコンセプトのどっこい所。この雰囲気に注目し、毎月第2月曜に、心身の健康などの悩み相談「松川村暮らしの保健室」が開かれている。相談に応じる一人で保健師、公認心理師などの磯部幸恵さん(同村)は「見学に来たら、いろいろな人がのんびりしていた。ちょっとした相談もできる場になれば、安心感が増えるかなと思った」と、企画を持ち込んだ意図を語った。
2、3月は、北アルプス医療センターあづみ病院(池田町)による、がんについての出前講座が開かれている。今月2日は約50人が、講師の同病院医師からがん治療の基本を学んだ。場の雰囲気に合わせ、医師も普段着姿。参加者との心の距離を縮めて、ざっくばらんに話をした。
出前講座を企画したのは、ソーシャルワーカーで同病院がん相談支援センター相談員の西澤亜紀さん。「地域に出向いて講座を開ける場所を探していた際、ここを紹介してもらった。聞きにくいがんの話も、ぷらっと立ち寄り気楽に聞いてもらうにはぴったりな場所」。次回は3月2日午後1~2時、「がんの痛みってとれますか?」がテーマになる。
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どっこい所の所長、伊藤公平さん(77)は「年々利用者、リピーターが増え、人のつながりも増えていることはうれしい」と話す。課題は、移動手段のない高齢者らへの対応。地域組織などと協力して検討したい考えだ。運営の側も、多くは60~80代。伊藤さんは「新しい人にもどんどん加わってほしい。われわれにとってもここは居場所だから」と呼びかける。
毎週月曜午前11時~午後4時。