添加物の危険度アプリ「たべラベル」開発 安曇野の阿部航さん

食の安全 考えるきっかけに

冷凍食品や弁当、漬物、ハム、お菓子などの原材料名を見ると、いろいろな食品添加物が書かれている。
現在、日本で使用が認められている食品添加物は約1500種。このうち天然香料、一般飲食物を除いても800以上! 加工や保存、風味付けなどに必要なことは分かるが、本当に安全か、心配な人もいるだろう。
不安を少しでも取り除こうと、添加物危険度判定アプリ「たべラベル」を開発した人がいる。阿部航さん(38、安曇野市穂高有明)だ。原材料名が書かれている部分を写真に撮ったり、手動で入力したりすると、危険度を四つに分けて教えてくれる。
阿部さんがさまざまな情報を基に危険度を整理した。飲食店を営む友人夫婦と話す中で生まれたアプリという。

自身や友人の悩みを聞いて

添加物危険度判定アプリ「たべラベル」。起動し、菓子、調味料など原材料が書かれているラベルの写真を撮るか、手で原材料名を入力すると―。添加物が緑(安全、食べても大丈夫な物)、黄(注意、食べるのを控える物)、赤(危険、食べない方が良い物)、紫(かなり危険、食べてはいけない物)に分類される。
試しに「生ラーメン」の原材料を写真に撮り検索してみると、出てきた添加物は6種。製造で使われる酒精、栄養強化剤の着色料(ビタミンB2)は「緑」、増粘剤、安定剤などの加工でんぷん、調味料(アミノ酸等)、かんすいは「赤」、そして、カラメル色素は「紫」という結果が出た。
アプリを開発したのは阿部航さん。飲食店を営み子どもがいる友人夫婦と話す中で、添加物を気にしていることに気づいた。阿部さん自身も花粉症やアトピー性皮膚炎などに悩み、つらい経験をしてきた。「添加物が入っている食品を食べるとアレルギーが出る」と阿部さん。友人が発した「原材料を写真に撮り、判別できるといいね」という言葉が、開発のきっかけとなった。
子どもの頃からゲームをし、パソコンが好きだったという阿部さんは、新潟県出身千葉県育ち。専門学校で情報処理を学んだ。卒業後は都内でシステムエンジニアとして働き、気象庁のホームページ、ゲームアプリを作るなどしていた。
「添加物と離れるために、自給自足の生活がしたい。東京より地方で暮らしたい」という思いから2024年、何度か旅行で訪れたことがある安曇野に移住した。現在は、①アプリやゲームの開発をする②700平方㍍ほどの畑を借り、野菜を作る③大町市のシェアキッチンでカレーを提供する―と、3足のわらじを履く生活を送る。
添加物危険度判定アプリの開発には、昨年8月に取りかかった。一番難しかったのが、危険度をどのように分類するかだ。10冊の本の評価基準を参考にしつつ、厚生労働省が公表している資料に基づき、全添加物名を整理した。
どんな性質の物質かを調べたり、危険度の分け方が出典ごとに異なる場合は平均を取ったり。安全とされていても、阿部さん自身が危ないと感じたものは危険に分類したケースもあった。昨年11月にはアンドロイド版を、今年1月にはiPhone(アイフォーン)版を公開した。
1500の添加物の名前、どのような目的で使われているのか、本当に安全なのか、覚えるのは容易ではない。「たべラベル」は瞬時にその答えを出せる。
阿部さんは「食べ物は生きるために必要だが、食べることが病気の原因になることもある。たべラベルが食や添加物を考えるきっかけになれば」と期待する。