池田「アツムイ窯」森岡さん父子焼き締め作品展 安曇野で4月3日から

触れて感じて 違い比べる楽しみも

ギャラリー&カフェ雨の樹(安曇野市穂高有明)は3~13日、池田町会染の焼き物の工房「アツムイ窯」の作品展を開く。森岡光男さん(81)、宗彦さん(43)父子の作品約80点を並べる。

日常使える食器や花器が中心

釉薬を使わない焼き締めの食器を中心に、花器などを展示。白磁など釉薬を使った作品も置く。光男さんの焼き締めの作品「ふたもの」は、「砂糖つぼを作って」というリクエストを受けて作ったもの。梅干しを入れる、小さな骨つぼとして身近に置く―など、いろいろな使い方ができる。「その人の感性で使ってもらえたら」
宗彦さんの「カップ」も焼き締めの技法で作る。持った時にちょうどいい大きさで、手にしっくりくる。薄く仕上げているので、ぐい飲みなどの酒器にぴったり。「冷たいビールを入れると泡が細かく、クリーミーになる」といい、グラスとはまた異なる味わいが楽しめる。もちろんお茶を飲んでもいい。
工房名の「アツムイ」の由来について、アイヌ語で「アツ」は「海または湖」、「ムイ」は「静かな」の意味があるそうだ。

その道60年の父の背中追う子

光男さんは陶芸を始めて60年。国内や世界各地を旅する中、八坂村(現大町市八坂)にまき窯を造り、20年間制作。その後現在地に移った。「形が自分の力。焼きにごまかされない」をモットーにしている。
陶芸に向き合う光男さんの背中を見て育った宗彦さんも、やはりその道へ進んだ。「子どもの頃から粘土で遊んでいた。陶芸家の家に生まれ、特殊だが自分はこの世界しか知らない」と宗彦さん。
焼き締めは1週間ほど松割木をたき続ける。灰が溶けて広がったり、まきが燃えて炭になり埋まったりして、自然の模様が生まれる。同じ粘土を使い、同時に焼いても窯の中の置く位置によって、赤っぽい、茶色っぽいなど仕上がりが違ってくる。「窯を開けてみないと細かい部分は分からない。一つ一つ表情が違い、良くも悪くも一つとして同じものがない」。考えながら配置する窯詰めは、時間がかかる作業だ。

焼き締めの器は、使い始めは表面がざらざらしているが、使い続けるうちに滑らかになっていく。色も濃く変わってくるといい、使うだけでなく、育てる面白さも味わえそうだ。また、花入れとして使うと水が腐りにくくなるので、水を替える回数が減り、花が長持ちするという。
宗彦さんの師匠は光男さん。同じ焼き締めの技法で作っても、それぞれに個性があふれ、作品の雰囲気は異なる。「優しいが鋭い」「温かい」など2人の作品の違いを比べる楽しみもある。
展示会では作品に触れたり、手に取ったりすることができないケースが多い。アツムイ窯は日々の生活で使える器を作っている。宗彦さんは「手に取って実際に質感、なじみ具合などを体感してもらえれば」と力を込める。 午前11時~午後5時。水・木曜定休。雨の樹TEL0263・31・6678