
豊かな香りや味わいで、癒やしも得られるコーヒー。この「コーヒー効果」に注目し、地域の健康増進やつながりづくり、シニア世代の活躍のきっかけになればと、大町市社会福祉協議会は3月10日、地元のコーヒー店スタッフからおいしい入れ方を、医師から健康との関連を教わる講座を市総合福祉センターで開いた。申し込みが定員を上回るなど、市民の関心を引いた学びの場を取材した。
同講座は3月に開かれた「知って得する社協の講座」(全4回)の一つで、この日は約30人が参加。
コーヒー店「美麻珈琲」(同市美麻)のスタッフと市立大町総合病院(同市大町)家庭医療科家庭医療専門医の金子一明さん(51)を講師に、実践も交えながら、技術と知識を深めた。
グループに分かれ、同店が焙煎した豆を使ってペーパードリップのこつを教わった。伝えられたポイントは▽焙煎から数日経過した豆を使い、豆と湯の適正な量を守る▽二酸化炭素の飛び過ぎ防止に、湯は沸騰させずに豆の焙煎度合いに適した温度で▽粉の中央から「の」の字を書くように細く湯を注ぎ、膨らんだ状態で30秒ほどおく「蒸らし」を行う―など。
参加者は、雑味などがたまるフィルター側面近くに湯を当てないようにするなど、集中して実践。「難しいけど、この時間が楽しいね」「(喫茶店の)マスターみたいだよ」などと会話を弾ませ、良い香りと共に明るい声や笑顔もあふれた。
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続いて、入れたコーヒーを飲みながら参加者が耳を傾けたのは、「コーヒーとつながりが、健康を守る」と題した金子さんの話。金子さんは、世界の最新医学データを示して健康との関係性、上手な飲み方を解説。コーヒーには抗酸化作用のあるポリフェノールの一種クロロゲン酸、「脳のごみ」を抑えるカフェインが多く含まれる。1日3、4杯飲む人は、飲まない人よりも死亡リスクが低下したと分かり、生活習慣病や肝臓病、認知症リスクなどへの効果のほか、作業効率のアップも期待できることなどを紹介。
また、起床前後に分泌が増える覚醒ホルモン(コルチゾール)の力をカフェインで相殺しないよう、目覚めから30分~1時間以降に飲むことや、睡眠ホルモン(メラトニン)のピークを阻害しないため、飲む時間は遅くとも午後3、4時までにするなど、飲むタイミングも助言した。
自身もコーヒー好きという金子さんは、「毎朝入れると、その味でその時の自分の心持ちが分かる」と話した。
さらに、「体の健康を保つためには、人とのつながりが大切。孤独は、たばこ15本分ほどの害ともいわれる」と警告。「社会参加が認知症リスクを減らし健康寿命延伸などにもつながる」とし、健康にも良いコーヒーと、人とつながることを組み合わせ、出かけたり招き入れたりして、コーヒーをみんなで楽しむ地域の健康拠点の重要性を強調した。
参加者の近藤茂樹さん(74)は「学んだことを生かし、大きなことはできないが地域活性化や孤立化の解消にコーヒーを役立てていけたら」と話した。
社協は講座参加者らに呼びかけて、「珈琲ボランティアのつくるカフェ」を15日午後1時半から同センターで開く(定員30人、参加費300円、10日締め切り)。問い合わせは同社協TEL0261・22・1501