天空に現れた驚愕の巨大ピラミッド(北アルプス・穂高連峰涸沢)

奥穂高岳の上空に現れた影絵の巨大ピラミッド。わずか1分41秒の間の出来事だった=ニコンD5、ニコンEDAF‐Sニッコール80~400ミリ

簿雲のスクリーン大自然の影絵

8月25日夕刻の北アルプス穂高連峰涸沢カール。仰ぎ見る奥穂高岳(3190メートル)の稜線(りょうせん)の上空に、巨大な「ピラミッド」が浮かび上がる。沈みゆく夕日が、飛騨(岐阜県)側にある岩の影を、うっすらと広がる雲に映し出していた。
この神秘的な光景は、日の出の後や落日前の太陽が低い位置にある時に現れる。影絵の原理と同じで、陽光が光源に、霧や薄雲がスクリーンとなり、その間にある物体が大きく投影される現象だ。幾つもの条件とタイミングが合わないと見るのは難しい。
撮影場所から見た天空の「ピラミッド」の大きさを、奥穂高岳の稜線の距離を元に推測してみた。三角形の底辺は約420メートル、高さは約300メートルとみられる。ちなみに、エジプト・ギザにあるクフ王の大ピラミッドは、底辺が約230メートル、高さは約140メートル。影絵のピラミッドがどれほど大きく見えたかが分かる。穂高連峰にこのような形をした大きな峰はない。恐らく、とがった岩の一部が巨大に投影されたのだろう。
撮影後、不思議な感覚にとらわれた。以前、どこかで出合い、見たことがあるような気がする。幻覚?錯覚?奇跡や偶然という言葉では説明できない。潜在意識の中の光景にシンクロしたのだろうか。驚愕(きょうがく)の一瞬を撮らせてくれた大自然に感謝した。

(丸山祥司)


投稿者: mgpress