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[創商見聞] No.44 小島 和宜(珈琲豆専門店 豆工房)

―1987年に喫茶店をオープンした
  東京で編集の仕事をしていましたが、30代後半の頃、登山でよく訪れていた松本に移住してきました。しかし、仕事がなかなかない。しかも、サラリーマンは性に合わないのは分かっている。それなら、コーヒーが好きだから喫茶店を始めようって、そんなノリでしたね。
その後、たまたま話が持ち込まれ、コーヒー豆の自家焙煎を始めました。コーヒーが嗜好(しこう)品から生活必需品に変わってきたこともあり、豆の需要は伸びていきました。
―ブラジル産の豆がメイン
 フェアトレードで、ブラジルのYAMAMOTO農園という日系三世が経営している農園の豆を仕入れています。数十社まとまって有機農法、減農薬・無農薬の豆を、輸送時に異物が混入しないよう、コンテナを1台借り切って、日本に運んできます。トレーサビリティーを実施し、安心、安全にもこだわっています。
自家焙煎を始めたのは91年ごろ。とにかくコーヒーが好きだったから、自分で焙煎したいという気持ちから始めたのです。しかし、最初は大変でした。焙煎の仕方や機械の扱い方もレクチャーを受けたのですが、機械は1台1台違うので、それに適した焙煎の仕方があるんです。喫茶店で出していた〝自分の味〟を基準にして、納得いくものができるまで1年ぐらいかかりました。
現在は、マイルドブレンドをはじめ、季節に合わせたオリジナルブレンドなど8~10種類ほど扱っています。焙煎したての新しい豆をお客さまに提供できるのが自家焙煎の強みです。コーヒーはただ飲めればいいというものではない。農産物ですから、ぜひ品質にもこだわってほしいんです。私は、おいしく飲めるのは1カ月ぐらいだと考えています。そこで、豆の袋に焙煎日時を明記するなどして、自分の手の届く範囲で管理をしています。
―こだわりの豆が評価され、全国各地の店でも使われている
 店以外で焙煎した豆を扱ってくれたのが生協です。エリア担当者が「飲んでおいしかったから」と言うので、紹介してもらいました。現在は、コープ安曇野豊科店で扱ってもらっています。ほかにも、知人を通じて口コミで広がり、現在、札幌、熱海、岡山など8軒ほどの喫茶店がうちの豆を扱ってくれています。
―この1月、商工会議所主催の逆商談会に初出展した
 口コミで広がっていたので、それで十分かなとここまでやってきました。自分で売り込むのも苦手でしたし。ただ、それでは商売的に難しい面も出てきて、自分の豆を受け入れてくれるところがあれば、販路を開拓しなければならないなと考えていたとき、金融機関から逆商談会の話を教えてもらい、商工会議所に申し込みました。
商談会・展示会用のFCPシートがあるんですが、ただ書けばいいというものではないんですね。いかにバイヤーに関心を持ってもらうかが大事。そのための書き方や写真の撮り方があることを指摘され、指導していただきながらシートをまとめました。
また、ターゲットをどこに絞るかということも大切だと知りました。私は、豆は引きたてが一番おいしいと考えていますから、お土産として置いてもらうのではなく、飲んでほしいという気持ちが強いんです。ホテルや旅館、レストランなどに絞ることにしました。
当日はかなり緊張しましたね。それでも県内で温泉旅館を経営する企業のバイヤーさんや、同じく出展していた企業にも興味を持っていただき、新たな展開に期待しているところです。
―今後の展開は
 中学生のときにコーヒーにはまって半世紀以上。コーヒーを多くの人に広めたいと今、松本第一高校や木曽青峰高校、信州大学の学生たちに講義をしていますが、これからもいろいろな場所でその機会をもらえればうれしいですね。
自家焙煎の店ではそれぞれの味を提供しています。いろいろ味わって比較し、自分の好みの味を見つけてください。

【こじま・かずよし】 福岡県出身。70歳。東京で出版の仕事に携わった後、松本に移住。1987年、市内に喫茶店「豆工房」を開店。91年ごろ、自家焙煎でコーヒー豆の販売を始め、現在に至る。

珈琲豆専門店 豆工房                          松本市蟻ケ崎6―8―1
☎0263―33―9123