県高校女子サッカー準決勝 松商逆転勝利 北信越へ

女子サッカーの第30回全日本高校選手権県大会は11日、北信越大会に進む2校が決まる準決勝を松本市かりがねサッカー場で行った。中信勢は松商学園(松本市)が東海大諏訪(茅野市)に2-1で逆転勝ちし、8年連続で県代表に。2年ぶりの県女王を目指す松商は、18日の決勝(長野Uスタジアム=長野市)で佐久長聖に挑む。
前後半40分ずつ。準決勝で前半5分に失点した松商は後半、負傷したMF小野紅葉(くれは)(3年)に代わり途中出場したMF小澤詩乃(1年)が、15分にゴール左隅にシュートを決めて同点。一気に攻勢を強めて4分後、ゴール前に抜け出したMF望月楽夢(らむ)(2年)がフェイントで相手をかわし、右足でシュートを決めて逆転。終了間際に押し込まれる場面もあったが、全員で守り切った。
準決勝もう1試合は、佐久長聖が上田西に20-0で大勝した。大会は8月に開幕予定だったが、新型コロナ拡大で延期され、今月4日に開幕。予選リーグを取りやめ、合同チームを含む13校7チームによるトーナメントに変更された。

チーム力で雪辱を誓う 18日決勝

2年ぶりに開かれた県総体(6月)、皇后杯全日本選手権県大会(7月)とも決勝で惜敗し、今季は無冠の松商。県選手権の準決勝は、最後の全国大会につながる北信越予選出場を懸けた大事な一戦だったが、「前半はパスがつながらず、自分たちのサッカーができなかった」と背番号10のエースFW米澤心花(みはな)主将(3年)。
後半に1、2年生が担った逆転劇を「勝ったのはうれしく、頼もしくもある。が、自分を含めて3年生がもっと頑張らないと」と、無得点に終わった自身を責めた。
途中出場して同点弾を放ち、役目を果たした小澤は「ここで負けたら終わり。お世話になった3年生と、少しでも長く試合がしたかった」と喜び、「次戦も出られたら、積極的にゴールを狙う」と意気込む。
今季はコロナ禍で練習や対外試合が思うようにできず、「試合の感覚を取り戻すのに時間がかかった」と梨子田幸治監督(48)。それでも立ち上がりの失点後に、前線をワントップから2トップにし、早めに軌道修正を図ったのが功を奏した。
決勝は3年連続で同じ顔合わせ。佐久長聖には昨年0|2で敗れて7連覇を阻まれ、さらに今季は県総体決勝も0-2で敗れてインターハイ出場を逃した。
「今年は飛び抜けたスターはいないが、選手のアベレージは例年以上に高い」と話す梨子田監督。ライバルとの決勝をにらみ「ワイドに多彩な攻撃を仕掛け、先に主導権を握りたい。チーム力で突破し、借りを返したい」とリベンジを誓った。

○…松商・MF望月(準決勝で逆転ゴール) 「シュート直前に相手がブロックしに来たので、とっさにかわした。フリーになり思い切り蹴ることができた。(GKの手に当たったが)枠に入ってよかった」