【野遊びのススメ】#20 スノーモービル運転 スキー場ツアーで体験

起伏やカーブ操る充実感

雪が多い今冬は、ウインタースポーツにはもってこいだが、スキーやスノーボードは長年ごぶさたで腰が重い。そんな記者の元に、スキー場のパトロールなどで見かけるスノーモービルを、自分で運転できるという情報が。「体力も要らず楽しそう」と、腰を上げて爺ガ岳スキー場(大町市平)へ向かった。
スノーモービルの運転には免許が必要だと思っていたが、スキー場などでの体験では不要という。「初めてでも大丈夫でしょうか?」と不安げに尋ねると、ガイドのjacky(ジャッキー、本名・尾﨑誠一)さん(48)は笑顔で大きくうなずいた。
ヘルメットやゴーグルを着用し、恐る恐るモービルにまたがる。カナダのBRP社製の車体。思ったより大きく感じる。左右の前輪に当たる部分に履いた2本のスキーでかじを取り、後輪に当たる1枚の走行用ベルトをエンジンで動かして進む。足を置く場所は平らで、バイクやスクーターと違い停止中も自立する。
最初に操作や安全走行のためのレクチャー。ハンドル右手にあるアクセルと、左手のブレーキを使って操縦する。想像したよりシンプルだ。
まずは圧雪された多目的ゲレンデに出て練習。直進は問題ないが、思い通りに曲がれない。女性に多いそうで、思い切ってハンドルを切れないのが原因という。斜面では倒れそうな怖さもあり、山側に体重を移動させるのがこつというが、頭では分かっていても難しい。
次はゲレンデ脇の林間コースへ。ガイドが先導してくれ、参加者の隊列の最後尾にもガイドが付くので安心だ。木立を縫って圧雪されたコースを進む。時速は20、30キロほど。風を感じて爽快に|といきたいのだが、コースには起伏や傾斜、苦手のカーブもあり、序盤は操作に必死だった。
休憩時に立ち上がると、余計な力が入っていたのか、足がガクガクと震える。それでも徐々に運転に慣れ、バランスを取るこつも何となくつかめた。
頭すれすれの位置の木をよけ、はらはらと落ちてくる雪の美しさに目を凝らしたり、カモシカや野ウサギなどの足跡を探す余裕も生まれたが、「慣れたころが危ない」というjackyさんの言葉に気を引き締める。
林間コースを4キロほど走ってゲレンデに戻り、しばらく自由に走行。危なっかしかったコーナリングも、こなせるようになっていた。気持ちいい!
一緒にツアーに参加した松本市の小山豊さん(60)は、昨冬に続き妻のアデさんとタンデム(2人乗り)を楽しみ、「動物に会えたらもっといい。皆に勧めたい」。後ろに座るアデさんは「今度は運転に挑戦しようかな」。自ら操る充実感は格別。またご一緒しましょう。

インフォメーション
【爺ガ岳スキー場スノーモービルフォレストツアー】3月13日まで毎日、午前9時と午後1時~(要予約)。所要約1時間。シングル(1人乗り=16歳以上)1万円、タンデム(2人乗り=運転者18歳以上、同乗者は小学4年生以上)1万2000円。TEL0261・22・0551