【ガンズリポート】シゴトを語る #7 運営部長・岩﨑悟さん

安心安全に試合見せるため

主に、競技運営を担当しています。試合を成立させるために、いろんな調整をします。
審判や対戦相手とユニホームの色やスケジュールを確認したり、ピッチイベントと選手の動線がかぶらないようにしたり。事前にアウェー会場の横断幕掲示スペースを聞き、サポーターに伝えることもします。
試合に関わるあらゆる情報の窓口です。チームとも共有しますが、求めるものは監督によって違います。正確に早く、必要な情報だけを整理し、勝つ確率が少しでも高くなるよう意識しています。
試合前から皆さんが楽しめて、選手にはいいプレーで輝いてもらいたいと思っています。大前提は、安全安心な試合運営です。
6月11日の藤枝MYFC戦は、ハーフタイムに雷雨に見舞われました。両監督とも続行を望み、試合の実行委員である山雅の(神田文之)社長、マッチコミッショナー、主審らと話し合いました。
気象会社ウェーザーニュースの担当者に電話で聞きながら、結局1時間半近く遅らせて後半のキックオフになりました。
滝のような雨の中、落雷を避けるため、観客の皆さんには座って待ってもらいました。安全のためですが、申し訳なかったと思います。一方で、あの状況でも待ち続け、後押してくれる人がたくさんいることに、山雅の強みを再認識しました。
僕が山雅に来たのは2010年です。最初は、サッカービジネスを勉強する学生インターンでした。ボランティア組織のチームバモスの人たちが、すごく精力的でした。アルビレックス新潟でもインターンをしましたが、感じた熱量は同じでした。当時の新潟はJ1で、山雅はまだJFLだったのに。Jクラブで働きたいと思っていましたが、「ここで」と思ったんです。
最初の仕事は営業で、まだ「松本サンガ」と呼ばれることも多かった。それが、こんなに大きくなるとは。地域がチームを強くし、チームが地域を強くすると実感しています。
いろんな人が応援してくれるようになりました。地域貢献を評価してくれる人がいる一方、プロは結果だと言う人もいます。ベースにあるのは、クラブとの信頼関係です。そのチューニング(調整)も、今の役割かなと思っています。
Jリーグ全体で、声出し応援が再開し始めています。山雅はサポーターのチームで、その声が力になると信じています。ただ、みんなが100%納得できるやり方は難しい。ルールを守ってもらいながら、アルウィンの雰囲気を取り戻すには、どうしたらよいか。模索しながら、安全安心を目指します。