【ガンズリポート】マッチレビュー 31節・10月30日山雅2-1長野

大声援力に宿敵倒す スタンド圧巻の光景「すごくきれい」

同県対決の「信州ダービー」に、今季J3最多の1万5912人がサンプロアルウィンに詰めかけた。前回5月の長野Uスタジアムを2700人ほど上回った観客は、9割が山雅のサポーター。熱のこもった声援と手拍子を受けた山雅が接戦を制した。
サポーターと共に戦う機運は、試合前から盛り上がっていた。名波浩監督は、選手に語りかけたという。「(街中で)毎日のように『残り頑張ってね』『ダービー頑張ってね』と声をかけられる。それに応える義務がある。支えられていることを自信に変え、それを示すゲームだ」
GKビクトルは観客席を見渡し、「すごくきれい」と思ったという。「こういう光景はなかなか見られない。一つ一つを目に焼き付けて、絶対に勝つという気持ちで臨んだ」
試合は前半に先制したが、後半は劣勢に。追いつかれ、なお決定機を許した。だが、勝ち越されなかった。
この日は北に向かい攻めた後半に、後ろから全面的に声出し応援を受けた。大声援を背に守備陣がボールを追い、ビクトルが好セーブを続けた。
しのいで迎えた40分、途中出場のFWルカオがシュートを決めた。その瞬間、DF常田克人は膝を突いてガッツポーズした。「普段はやらないことが自然に出た。信州ダービーのすごさ、プラスアルファのパワーが出た」。スタジアムが一体となって勝利をつかんだ。
山雅は、昇格圏の2位藤枝と勝ち点差なしの3位に。アウェー2試合を挟み、次のホーム試合(20日)が今季最終戦。そこで、すべてが決まるか。