信州出身のロックユニット「GLIMSPANKY(グリムスパンキー)」が22日、サンプロアルウィン(松本市神林)でライブを行う。J3松本山雅|ヴァンラーレ八戸戦で、試合前とハーフタイムの2度、ピッチに登場する。
豊丘村出身でボーカル・ギターの松尾レミさん(31)と、飯田市出身でギターの亀本寛貴さん(32)の2人組。楽曲が山雅の試合前に流れることはあるが、サンアルでの生演奏は初めてだ。
「とても光栄です」という元サッカー少年の亀本さんに、ライブや山雅について聞いた。
グリムスパンキー亀本寛貴さんインタビュー
─以前から、サンアルでライブをやりたいと言っていた。どんな演奏を?
「夢がかなった」に近い。今回のように、試合の前にパフォーマンスできれば最高だと思っていた。山雅のサポーターは熱量が高いので、一体になって盛り上がりたいという一点に尽きる。
場に合う、ベストな曲を選んだ。広い会場で、たくさんの人、しかも音楽ファンじゃない人も多い中で演奏するのは、僕だけじゃなく、松尾さんにとっても大きな刺激になるはず。ミュージシャンとして見えるものが変わる、視野が広がる、また一皮むけるんじゃないかと思う。
山雅に親近感泥臭さも魅力
─サッカーとの関わりは。
小学校で少しやって中学、高校はサッカー部。大学では遊び程度だったけど、いつも行く銭湯のテレビで2010年のW杯南アフリカ大会をやっていて、めちゃくちゃ楽しいなと。海外サッカーを見るようになった。
地元のチームが見たいと思って山雅の試合を見たら、すごく面白かった。
─飯田出身で山雅が地元のクラブ?
飯田は小さな街。自分たちのクラブが欲しいという感覚がなかった。松川高校(松川町)で着たユニホームが、山雅と同じ深い緑で親近感が湧いた。松本は長野県の真ん中。県の代表という感覚もある。
─そして、試合を見たら面白かった。
華やかな選手を並べてきれいなサッカーじゃなくて、泥臭い感じ。僕が好きなサッカーだった。終わるまで勝ちにこだわり、本気でやっていることが、見ている側に伝わるのは大事。サポーターに支持され、また見に来たいと思わせる。エンターテインメントして大事な要素です。
厳しい時期でも粘って共に上へ
─グリムスパンキーと通じるところは。
僕らの音楽活動も、地道で泥臭いのが多い。ショービジネスの華やかな道を歩いているわけではなくて、小さなライブやイベントに出て、体を使って地道にプロモーションをしている。山雅にはすごくシンパシーを感じている。
そして今ですよね。山雅は厳しい時期を過ごしている。サッカーチームで、どんどん人が入れ替わる中で、一貫したスピリットやクオリティーを保つのは、簡単じゃない。
自分たちは、デビューした当時は存在自体が音楽シーンにとってフレッシュで、ぐんぐん活動の場を広げられた。だけど長くやっていると、よくない時も必ず訪れる。そういう時も粘って、新しいチャンスをつくる。山雅もそういうターム(期間)に来ていると、勝手に思っている。
そういうタイミングで(ライブ演奏の)声をかけていただいたのはうれしい。一緒にやって、昇っていけたらいいな─という気持ちがある。
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【GLIMSPANKY(グリムスパンキー)】
2014年メジャーデビュー。ハスキーな歌声の松尾レミさん(31)と、ギターを情感豊かに響かせる亀本寛貴(ひろき)さん(32)の2人組。1960~70年代のロックの影響を受けながら、現代的な感覚も生かした楽曲で、映画やドラマの主題歌も多数手がける。昨年、6枚目のアルバム「Into The Time Hole」をリリースした。