サロン活動でいきいき「みたけ会」

遊び心楽しめる企画を

安曇野市三郷明盛一日市場の見岳町集会所。毎月第3水曜日、この集会所には話し声と笑い声があふれる。「ふれあいいきいきサロン『みたけ会』」の集まりがあるからだ。会の運営もイベントなどの参加者も同区に暮らす60~90代の30人の会員が担う。コロナ禍による休止を乗り越え、昨秋から再開した活動の様子をのぞいた。
15日は男女16人が参加した。この日のイベントのメニューは、ラジオ体操と輪投げだ。準備体操を兼ねて行ったラジオ体操は「ご当地版」で、掛け声は岩手弁。遊び心があり、体も心も温まると同時に笑い声も聞こえてきた。
体操が終わると、輪投げだ。年齢によって投げる位置が決まっている。1セット3投を3セット行い、その合計点で順位を競った。高得点の場所に輪が入ると、「ナイスショット」といった歓声と、拍手が起こる。逆に失投すると、「惜しい」「残念」などの慰めの声が。投げる人も見ている人も、楽しみながらも真剣に取り組むから、なお楽しいのだ。
この日優勝した亀谷恵美子さん(88)は、「楽しい。みんなと会って話をすることで元気と若さをもらっている」と笑顔だ。
牧内三之さん(75)は「(コロナ禍で)酒を酌み交わす会『おたがいさま』も、区の総会もできない。みたけ会は、実際に人と会い、お互いを知る機会になっていい」と歓迎する。
同会は、三郷村時代の1999年に「見岳町高齢者を支える会」として発足し、その後「みたけ会」に。20年以上の歴史がある。高齢化が進む中、親睦を深め、助け合うことを目的としており、お年寄りの引きこもりを防いだり、居場所をつくったり、参加者同士の交流を深めたりする場になっている。
コロナ禍になる前の2019年ごろまでは、地元の人が講師の手品教室、保健師を招いての健康教室、3世代が交流するたこ焼き大会など、さまざまな催しを企画。時には屋内を飛び出し、温泉施設、ファインビュー室山にみんなで出かけ入浴や昼食、カラオケを楽しむといったこともした。
20年以降、コロナウイルスの感染拡大でこうした企画も休止にしたが、22年10月に活動を再開。その時には待ちかねた22人が参加したという。
17年から会長を務める青山洋子さん(78)は、「みんなが集まって会話ができる場になれば、引きこもりにもならないのでは。冬場は筋力も衰えがちなので、ラジオ体操で少しでも体を動かす機会を設けたい」と、会を開く意義を話す。
陽気が良くなる今春には、お花見会とウオーキングを組み合わせるなど、参加者がより楽しめる企画を考えている。