【眺めてみれば】#28 カタツムリのモニュメント(松本市)

公園にミステリアスな存在

松本城に程近い、大正・昭和の歓楽街「緑町(みどりちょう)」。ここにある公園「辰巳の御庭(おにわ)」の木製ベンチの間に、何食わぬ顔で石像のカタツムリが居座る。
一帯は今も小路が残りディープな雰囲気。湧き水があふれ、清らかなせせらぎが流れる憩いの場は手入れが行き届き、地元の深い愛情を感じる。
公園ができたのは30年近く前。カタツムリはベンチも想定したような作りだが、座っている人はあまりいないらしい。「松本深志高校の美術の先生の作じゃなかったか?」「街なかに石像を置く企画の一環で設置され、そのままになっている気が…」。地元の人に聞いても判然としない。
小松パン店(大手4)店主の小松治夫さん(72)は「カタツムリ以外の生き物も置かれていた時期があったような…」。聞けば聞くほどミステリアス。それがまた緑町っぽくていい。