【眺めてみれば】#22 牛伏寺砂防ダムから見る北アルプス(松本市内田)

青空に映えるまぶしい冬景気

凍てつき、一面雪原となったダム湖の真正面には北アルプス・常念岳。青空に両方の白がまぶしい。
牛伏寺に向かう車道を川に沿って上がっていくと、参道への駐車場先にダムが静かにたたずむ。上流には国の重要文化財にも指定され、石造りが美しい牛伏川フランス式階段工があり、川と周辺一帯で砂防の歴史や技術を今に伝える。
ダムは下流への大量の土砂の流出を防ぐため、1971年に建設。高さ30メートルと、県内の砂防ダムでは大規模なものだ。土砂と一緒に水がたまるため、見た目は貯水ダムと変わらず、流れ落ちる水流は、冬もさらさらと心地よい音を響かせる。
ダムの最上部に架かる一本道の通路を歩きたい衝動に駆られ、県松本建設事務所に聞くと「管理用で一般の人は通れません」とのこと。関係者がうらやましい。