【眺めてみれば】#47 信号付き会吉トンネル(筑北村・松本市)

明治に開通往時の雰囲気残し

筑北村から松本市に向かう道中で、トンネルに直付けの信号機に出合った。同市と上田市を結ぶ国道143号線の峠区間。信号機は1976(昭和51)年に設置。国道のトンネルでは珍しいという信号による交互通行が行われている。
車道幅員5・4メートル、延長134・7メートル、有効高4メートルの「会吉(あいよし)トンネル」は、1890(明治23)年完成の「七道開鑿(かいさく)」第二路線(現国道143号)の建設時、坑口などにれんがを使って施工。その後修築された。
夕暮れ時でいっそう暗く感じるトンネルを抜けると「松本市」の看板が。心細さが和らいだ。
狭く屈曲した峠区間の一部は、昨年末に会吉バイパスが開通。今後も工事が進められる計画だ。会吉トンネル周辺には、巨大な岩穴に造られた岩殿山観音堂のほか神社もあり、今も往時の雰囲気を感じられる。