自然素材の美しさを―海の石使ったアクセサリーなど制作・山本有砂さん

「MWN(まうん)」という活動名で、海の石を使ったアクセサリーや小物を作っている松本市の山本有砂さん(32)は、4月で活動を始めて1周年を迎えた。「ありそうでなかった新しさを(My Way New)」が、作品のコンセプト。「安価で大量生産が多い世の中で、自然が作りあげた一つだけの美しさを伝えられたら」と語る。
ブルー、グリーン、淡いピンク、半透明…。さまざまな色が、しま、斑点などの模様を織りなす。色も形も異なる海岸の石を使った小物は、ピアスやブローチ、指輪など。どんな服装にも自然になじむ取り入れやすさを意識している。
使う石は、石の種類が日本一ともいわれる新潟県糸魚川市の海岸、ヒスイ海岸で集めている。「石ころだけど、私には宝探しのよう」。大量に持ち帰らないなどの決まりを自ら守り、気に入った物を少量だけ拾う。
中信地区のイベントを中心に周知を図っていると、「意外に石好きが多いことが分かった」。性別や年齢を問わず興味を示す人が多く、「こんなきれいな石があるんだ」と手に取ってくれる。石の美しさ、自然の素晴らしさを伝えられている手応えを感じる。
岐阜県出身。結婚を機に2022年、松本市へ引っ越してから、新潟県に遊びに行くようになった。「砂浜」のイメージがあったが、訪れた海岸には石がたくさん。荒波にもまれた石には滑らかな曲線やつやがあり、「柔らかな表情を持つ石にすごく引かれた」。「岐阜も長野も海がないからこその気づき」と話す。
松本市内にはこだわりを持ったクラフト作家が集まるイベントも多く、街の雰囲気も、編み物などものづくりが好きだった山本さんの背中を押した。
「さりげなく光を放つ存在としてファッションのワンポイントとしても使ってもらえたら」。石に思いを託し、作品を作り続ける。イベントなどの情報はQRコードから。