【ガンズリポート】マッチレビュー 県選手権決勝・12日 山雅1-1(PK3-4)長野

好守連発も最終盤に…

松本山雅FCは“信州ダービー”今季初戦で競り負けた。試合を通じて随所に好プレーを見せながら、失点に直結するミスをして「すべての人に申し訳ない気持ちでいっぱい」と責任を背負い込んだGK大内一生。悔しさをリーグ戦で力に変えられるか。

データ示す技術力悔しさ糧にさらに磨きを

痛恨のプレーは、1点リードで勝利目前の後半ロスタイムだった。相手の直接FKが「思ったよりスピードが速かった」。判断を誤り、手が届くシュートをはじけなかった。それ以外は好セーブを連発していただけに、もったいなさが際立った。
前半、より近い所から同じように頭上を狙われたシュートは、両手ではじき出した。失意のプレーの後の延長前半にも、相手と1対1となる窮地でシュートを防いでみせた。
大内のシュートを止める技術の確かさは、リーグ戦での数字が示す。Jリーグのデータによると今季、ペナルティーエリア内からのシュートセーブ率78・9%はJ3で2位。1試合平均のセーブ数4・6は最も多い。
昨季はJ3だった鹿児島でリーグ6試合出場にとどまり、「自分と向き合い、シュートストップの技術を磨いた」という。今季はキャンプで体調を崩して出遅れたが、チャンスを得た4月から、蓄えた実力を発揮し始めた。
キックも「元々自分の強み」。長野戦に向けて「ロングキックで誰に蹴り、どう競るかというのが、チームではっきりしてきた」と手応えを口にしていた通りの、チームプレーが何度もあった。
昨季からの自身を振り返り、「修正することで評価される」と話していた23歳。一度のミスで、くさることはないだろう。