
〝文化を一滴の酒に凝縮し伝える役目〟
―松本の街の魅力はどんなところでしょう?
外から来る人は城や空気、自然や文化に引かれるのでしょう。駅を降りた瞬間爽やかさを口にし、私たちが見慣れた風景に感激しています。首都圏まで2、3時間で行け、町全体が小さくて少し離れると田舎を感じ、もっと離れると山の中に入るのも魅力ですね。
昼夜の寒暖差、乾いた空気、山から流れ出た川が育んだ肥沃な土地など、農作物や米作りにも適していて湧き水も豊富。街中で水の飲み比べができるのも、松本ならではでしょう。
―松本での酒造りを通して、どんなことを感じますか?
日本酒は冠婚葬祭など人生の節目に欠かせない、日本文化の象徴。信州松本の文化を一滴の酒に凝縮して伝えるのが、役目の一つと思っています。松本は山々に囲まれ、造り酒屋にとって一番の命である水が育まれています。当社の酒米は全量契約栽培の県産米で、6、7割は松本平産。松本の気候風土が凝縮されているのです。心が動くようなおいしい酒を造って松本の文化を感じてもらい、思い出に残るような仕事をしたいと思っています。
―松本に住みたいと思っている人へ、伝えたいことは。
文明が発達し便利な方へ流れていくと、文化は少しずつ変化し、流され過ぎるとどの街も変わらなくなってしまう。経済に偏るのは大都市だけでいいのでは。
松本の自然環境は特別で、都会から逃げてきた方がいいのではと思うほど。路地に入った時に「松本らしさ」が感じられる街であってほしいし、それを残すには住んでいる人たちの意識が大切です。Iターンして来る人は空気感や雰囲気を感じ取っていると思う。それをずっと感じていてほしいです。
【プロフィル】田中隆一さん 1961年、松本市生まれ。大信州酒造前身の原田屋酒造店は明治13(1880)年創業、2005年に5代目代表取締役社長に就任。信州の気候風土を凝縮した「天恵の美酒」を醸し続ける。
▶マツモトグッドライフアクションとは・・・穴吹工務店・野村不動産・NTT都市開発が共同で手がける松本駅前の大規模マンションプロジェクト実施にあたり、松本の街をこよなく愛する様々な方を紹介し、松本の魅力を発信する連載コーナーです。マンションプロジェクトの詳細は=「ザ・レジデンス松本深志」ウェブサイト=から。