
安曇野市穂高の碌山美術館は30日まで、同館の創設時にさまざまな形で携わり、完成後は理事を務めた彫刻家・笹村草家人(そうかじん)(1908~75年)の作品展を開いている。交流があった人たちや、馬などを題材にした彫刻14点に加え、鉛筆やパステルなどで描いた絵画20点と資料9点を展示している。
笹村は東京生まれ。東京美術学校(現・東京芸術大)彫刻科で彫塑を学んだ。法隆寺金堂の再建に携わるなどした後の1953(昭和28)年、当時の南安曇教育委員会に「荻原碌山研究委員会」の指導者として迎えられた。
以降は、碌山作品の保全とブロンズ化などに尽力し、美術館創設の中核を担った。58年に完成した美術館の入り口大扉には笹村作の「ハンドル」が付いている。
展示作品のうち、「最後の渋沢敬三先生」は63年作。敬三は実業家で、渋沢栄一の孫。親交が深かったが、制作途中で敬三が亡くなったため、笹村としては中途作品と認識していたというが、碌山美術館学芸員の武井敏さんは「渋沢さんの人柄や内面に迫った素晴らしい作品」と評価する。
自身の作品に対しては「非常に厳しい人」といわれていたが、愛情深かったとの話もある。展示作「馬」は、創設時から同館を支えた名物スタッフ、故横山拓衛(たくえ)さんの馬をモデルにしたもの。二人の関係性の深さが分かる。
午前9時~午後5時10分。大人900円、高校生300円、小中学生150円。同館TEL0263・82・2094