木曽町の暮らし体験ツアーを企画 松本の大学1年生・坂本達哉さん

子高齢化、人口流出など、地方が抱える課題は多い。そんな状況に真正面から向き合い、変えようとする若者がいる。松本市在住で「木曽町が大好き」というZEN大1年、坂本達哉さん(20、神田)だ。
木曽町の魅力を発信したいと21~23日、大学生など若者を対象にしたツアー「きそライフ体験記~木曽で暮らすように旅をする3日間」を企画運営する。
「自然に恵まれ、人も温かいのが木曽町」と坂本さん。子どもの頃から遊びに通っていたといい、魅力は体に染み込んでいる。若者の熱い思いを、町や地元の人ががっちり支える。
地方で暮らしたい、自然の中で生きたい。そんな希望がある人は、このツアーで答えが見つかるかもしれない。

地方の魅力現地で伝えたい

坂本達哉さんが企画・運営する、若者を対象にしたツアー「きそライフ体験記~木曽で暮らすように旅をする3日間」は、21~23日の2泊3日で、木曽町を堪能するツアーだ。
午前10時半にJR木曽福島駅集合。地域の交通を支える「おんたけ交通」を見学したり、まちづくりの取り組みを学ぼうと町役場を訪ねたり、やまゆり荘で温泉に入ったり。
木曽おもちゃ美術館、木曽馬の里、義仲館、そば処(どころ)たけみ・たけみ商店など、見学施設は盛りだくさん。宿泊は一棟貸しの宿「玄草(げんそう)」で、参加者同士が交流し、ゆったり過ごせるようにした。自然や食、名所と、木曽町の魅力を味わい尽くす内容だ。
日頃は都市、市街地で暮らす学生がターゲット。地方の暮らしや仕事に興味があり、自然を満喫したい人。新しい生き方を考えたい、地域の人とのつながりをつくりたいという人に、お薦めのツアーという。

坂本さんは進学先を決める際、都会に出ることも考えた。だが、松本市で浪人生活を送るうちに、「ここに残りたい」という気持ちが強くなった。
そんな時、ZEN大(本部・神奈川県逗子市)が今年4月に開学することを知った。日本初の本格的な「オンライン通信制大学」を目指すといい、時間や場所を問わず学び、単位を取得できる。「信州を離れなくても充実した大学生活を送れる」と、1期生として入学した。
物、人、資本などの東京一極集中は、日本の課題だ。「都会の便利さは魅力だが、地方には自然や豊かさを楽しめる生活がある」。将来は地方の魅力を発信・紹介する仕事に就くのが希望だ。
木曽町への思い入れは強い。子どもの頃、祖父に連れられ釣りやキャンプに行った。自然の中で楽しんだ思い出があり、地元の人とのつながりもある。「ZEN大だからこそできること」として、町の魅力を紹介するツアーを思い付いた。「ここで味わえる心の豊かさを他の人にも感じてほしい」との思いが出発点になった。

ツアー実現には、行政や地元の人の支援が大きい。町が現地までの交通費の半額(上限1万円)を補助する。参加費は3万円で、宿泊、食事、体験など全て込みの特別価格だ。地元の人たちが若者の心意気を支える。
玄草のオーナー、長屋詠一郎さん(32、新開)は岐阜出身。海外生活を送っていたが、コロナの影響で帰国。地域おこし協力隊として2020年に同町に移住した。今回、坂本さんのツアーを支援する一人だ。「町を盛り上げたいと動く若者を応援したいし、応援できる地域でありたい」と語る。
坂本さんは「普段の生活から離れ、自然や自分の心の豊かさを見詰めてみませんか」と都市部の若者に呼びかける。
主な対象は大学生、大学院生、専門学校生などを想定している。申し込み、問い合わせはメール(ts6190.tnah@gmail.com)で。