
MGプレスや信濃毎日新聞などで写真記者として活躍した丸山祥司さん(81)が、新聞に発表し続けた南天の星・カノープスの写真撮影を振り返る講演会が11月8日、塩尻市広丘公民館で開かれた。国立天文台上席教授の渡部潤一さん(64)も講師として参加。二人の星談議に約70人が耳を傾けた。
カノープスはりゅうこつ座の1等星で、北半球では北緯37度付近が見える北限とされる。長野県は計算上はほぼ全域で見えるが、実際には山に隠れて見えない地域も多い。
丸山さんがカノープスの撮影を始めたきっかけは1997年、信毎に掲載された渡部さんのエッセーだった。大町市の木崎湖周辺に伝わる「真冬の深夜に湖を竜が渡る」という伝説は、赤みを帯びて異動するカノープスを龍の目と見立てたのではないか、とする内容だ。
「何とか木崎湖で撮影し、渡部先生に見てもらいたい」。毎年冬になると夜、木崎湖に通ってカメラを構え、6年目・131回目の挑戦で撮影に成功した。
カノープスに魅せられた丸山さんは、その後もさまざまな場所で撮影。志賀高原から浅間山の噴火を通して撮ったり、美ケ原で鹿を一緒に撮ったり。2023年には「長野県で見える北限」の撮影にも成功した。
丸山さんは「1回で撮影に成功したことは一度もない」とし、同じ場所に何度も通ったことを述懐。「渡部先生との出会いが夢を膨らませてくれた」と振り返った。渡部さんは「これほどカノープスを撮った人は日本にいないのでは」と丸山さんをねぎらった。