発酵×エコロジー「ハッコロジー」提唱 安曇野で活動始めた三浦さん

学ぶ、つくる、つながるを柱に

「ハッコロジー」って何?微生物の力で分解再生する「発酵」と、生き物の支え合いを反映させた知恵「エコロジー」を融合した造語だ。シードルやクラフトビールの醸造を手がけた三浦季久(としひさ)さん(62、安曇野市穂高)が提唱する。
「発酵の知恵を暮らしに取り入れ、環境負荷を減らしながら心身共に健やかに生きる」ライフスタイル・ムーブメントという。
今月4日に「ハッコロジークラブ」を設立。発酵について学んだり、ワークショップで発酵食を作ったりする。「人が集まるとアイデアや活動が生まれる。人同士の関わりも発酵の一つかな」と三浦さん。
11月22日には安曇野市内で、初の催し「世界のワイン銘醸地巡り」を開く。

第一弾ワインセミナー11月22日

三浦季久さんが設立したハッコロジークラブの活動第1弾は、ワインセミナー&ワークショップ「世界のワイン銘醸地巡り」だ。22日午後6~8時、安曇野市穂高の碌山公園研成ホールで開く。費用は4千宴(円)。
同じ品種の味の違い、地域ごとの味わいを飲み比べる─といったセミナーではない。「品種や産地もいろいろ。統一性はなく、味わいとして楽しめるワインを選んだ」と三浦さん。「濃厚な赤が多い。さっぱりできるようシャルドネの白も入れた」。フランス、米国、イタリアと国もさまざまな6銘柄以上を用意する。
三浦さんは北海道出身。埼玉県の大学で環境工学を学び、卒業後は製薬会社の研究所に勤務。微生物なども扱った。1999年に早期退職。仕事もなく知り合いもいなかったが、「自然環境がいい」と2001年安曇野市へ移住した。マンツーマンの学習塾を開いた。
07年、福源酒造(池田町)がシードル部門を立ち上げる際、協力を依頼され関わることに。会社で微生物を扱い、科学的な知識はあったが、この時、ワインやシードルについて必死で勉強したという。
ビールの幅広いバリエーションに関心を持ったのもその頃だ。「さまざまな副原料を使い、特異性、独自性のあるものを造れる」。北海道のオホーツクビールで研修を受けた。自力でクラフトビールの醸造所を始めたいと思っていたが、新型コロナの影響で断念。22年、安曇野ブルワリー(穂高)設立の際、醸造責任者として関わることになった。

経験から考えた微生物との対話

「やりきった」。シードル、クラフトビールと醸造に携わり続け、湧き上がった思いだ。心のままに23年、退社した。体力も精神力も使う仕事が「きつくなった」と感じたことも一因だ。
2年間、やりたいことを模索した。醸造など発酵に関わった期間が長く、「微生物との対話を考えるようになった」。地球環境、持続可能な社会のエコロジーについて考える中で、「低エネルギーでできる発酵とエコロジーは相性がいい」と思い至った。ハッコロジーの誕生だ。
発酵や自然循環の知恵を「学ぶ」、発酵食を「つくる」、人と人、自然、地域と「つながる」のが3本柱だ。今後は、みそ造りなどのワークショップの開催、発酵洗剤作りなどの実験を企画するほか、「発酵食品と腸活」「食やエネルギーの循環」といったテーマでの講座開催などを予定している。
微生物が古い物を分解し、新しい命を生み出す発酵。食、環境、人との交流など、有益で心地いい状況を生み出す機運を広げていくつもりだ。
ワインセミナーの申し込みは名前、住所、電話番号を書きメール(hacco.club@gmail.com)で。活動の詳細などはウェブページから。会員も募集している。