
創業年に向け事業の発展図る
「社員の幸せの実現と一緒に地域貢献にも力を入れたい」。こう語るのは、緩衝材の製造・販売や工業用品の卸などを手がけるミカサ(松本市高宮北)の2代目、三澤敏宏社長(59)だ。2024年12月の創業70周年を記念して昨年2月、新工場を建設。これをシンボルとし、「100年企業」に向け、新たなスタートを切った。
同社は緩衝材の設計、製造、販売と、包装資材・工業用品の卸が2本柱。主な取引先は製造業、大学、病院、官公庁で「昨年前半は、設備投資をした企業があり、特需になった。うちは取引先の業績の良しあしに左右される面がある」。
現在の売り上げの内訳は、創業当時からの工業用品の卸が全体の3分の2を占め、残りが緩衝材の全般。「5年後をめどに、二つの比率を同じくらいにしたい」と見据える。
新工場は同市井川城1の同社の工場跡地に新築。これを機に、今後注力する三つのテーマを掲げた。
一つはSDGs(持続可能な開発目標)。バイオマス(生物由来の有機性資源)を原料とした商品の提案や緩衝材の端材のリサイクルなどをする。
二つ目はBCP(事業継続計画)。新工場は耐震化を万全にしたのと同時に床面を旧工場より90㌢高くした。これは、作業効率のアップに加え、近くを流れる河川の氾濫に備えた危機管理。地域の避難所としての役目も視野に入れている。
また、県外の同じ取引先を持つ同業他社と連携。災害時に製造を引き受けるなど、お互いが助け合う。
三つ目はWell―being(心身ともに満たされた状態)。社員の幸福度を高めたり、健康増進を図ったりするのが目標。新工場の建設もその一環にあり「社員の働く環境が良くなり、モチベーションも上がっているのでは」と期待する。
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父・汪司さん(97)が20代半ばで独立して同社の前身、三笠物産を設立。工業用品の卸を手がける中、1960年代後半に緩衝材に将来性を感じ、取り扱いを開始。これにより、大手企業と取引できるようになり、工業用品の卸にも好影響をもたらす結果になった。
「新たなビジネスモデルで、先見の明があったのでは」と、改めて感服。こうした姿を物心がつく頃から見ていたため、2代目を継ぐことは自然な流れだったという。
「この先、創業100年に向け、これまでの事業の発展に加え、新規事業も考えたい」と力を込める。
みさわ・としひろ 1966年、松本市出身。松本深志高、千葉大卒。大手電機メーカーなどで勤務し、96年、ミカサ入社。98年、社長就任。同市高宮北在住。