
松本市を中心に活動する、りんどう俳句会が発行する俳誌「りんどう」が、1月で700号となった。戦後間もない1946年に発足して80年。同会は「これを節目に、また『りんどう』の一歩を踏み出したい」と、思いを新たにしている。記念の700号はA5判、160㌻。表紙には、会を設立し長く主宰を務めた藤岡筑邨さん(102)の代表作「雲呼んで雪とす城の鬼瓦」を配した。
かつて同会に所属し、現在は俳誌「岳」主宰の宮坂静生さんが「変貌を求めた壮年の景―師藤岡筑邨との四半世紀―」を寄稿。宮坂さんが高校に入学して早々に筑邨さんから俳句の添削を受けたことや、句会の様子など思い出をつづり、「龍膽」(昭和30年代ごろまでの題字)の69~150号から、壮年期の筑邨さんの俳句の変遷を振り返った。
その上で「俳誌の編集は、絶えず平地に乱の気配を感じさせる知的な感性が要求される。師(筑邨さん)はそれを求める度量の広さがあった」と記した。
編集を担当する降旗牛朗さん(66、同市大手4)によると、宮坂さんは筑邨さんとの間に何らかの確執があり、りんどうを離れた。「宮坂先生に筑邨先生やその頃の『りんどう』のことを書いていただいたのは画期的なこと」と降旗さん。
記念号は他に、県内外の俳人7人からの祝いの句や、会員90人の自選20句を掲載した。
「りんどう」は月刊誌だが、昭和30年代には休刊の年や、年に2回しか発行しない時もあった。毎月安定して発行するようになったのは昭和40年代半ばからだという。
1月から降旗さんが主宰に就き、筑邨さんは名誉主宰に。降旗さんは「会員の減少や高齢化など厳しい時代だが、筑邨さんが続けてこられた意志を尊重し、できるだけ長く続けたい」と話す。
700号は3千円。問い合わせは降旗さん方、りんどう編集所TEL0263・33・1817)へ。