
子育てママに寄り添う事業を
「子育てをするママたちの力になりたい。そこは、ぶれずにいたい」。こう力を込めるのはコンサルティング会社、スマイル・ラボ(松本市井川城3)代表の赤沼留美子さん(54)だ。この思いから新規展開した宿泊業が認められ、女性起業家を表彰する「J300アワード」の大賞を受賞。宿泊施設のフランチャイズ(FC)化を視野に入れるなど、新たな目標に向かっている。
コンサルティング事業は、主に女性のパート、アルバイトをいかに戦力として生かすか─。このテーマに特化。企業に「女性が何に困って働けないのか」などを理解してもらったり、女性が集まる求人広告の出し方などを提案したりしている。
2月24日には松本市内で5年以上ぶりに開いた女性求職者が対象の合同企業説明会を企画。「短時間や少日数労働など企業の理解は進んでいるが、それに輪をかけて人手不足が深刻。そこには、女性を雇う際のミスマッチもある」と分析する。
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「最初は夢物語と思われていた」。2022年に同市岡田下岡田に開業した体験型宿泊施設「マツモトサトヤマドアーズ」のことだ。
15年前、夫の転勤で家族で鳥取県に暮らしていたころ、当時5歳だった長女と鳥取市内の「わらべ館」を訪れ、親子で感激。その場で松本に戻ったら「木のおもちゃ館をつくろう」と、娘と約束したのが、宿泊業へ進出した原点だ。
マツモトサトヤマドアーズは、世界各国の木のおもちゃを100種類ほどそろえ、みそ造りやそば打ちなど、地元の資源を生かした25種類の体験ができるのが特徴。
冬場の客数の大幅な減少など、季節によって稼働率の差が激しいという課題はあるが、開業から約3年で親子連れを中心に7千人以上が宿泊した。
こうした独創性と実績が認められ、全国から約300人の応募があった本年度の「J300アワード」の最高賞にあたる大賞を唯一、受賞した。
近く、出産直後の家族を対象に、「産後ケア」を目的とした長期宿泊ができる新たなサービス「実家がわり」の提供を始めるほか、お客の中には「自分でもサトヤマドアーズをやりたい」という希望者がいるため、数年後のFC化を大きな目標として掲げる。
「このサトヤマドアーズは実験の場として新たなことに挑戦し、その世界観を全国に広めていければ」と先を見据え、「小さな子を持つ母親に、寄り添う事業をしたい」。
あかぬま・るみこ 1971年、岡山県倉敷市出身。津田塾大卒。ファミリーマートに就職し、オーナー教育やアルバイトの教育マニュアル作成などを担当。結婚を機に松本に移住。2004年、スマイル・ラボ設立、代表就任。