
松本市浅間温泉1のホテル玉之湯がほぼ毎晩開く「車坐コンサート」は、開始から25周年、通算8千回を超えた。日替わり演奏者による個性豊かな音色とトーク、リクエスト演奏やみんなで歌う場面もある1時間余。一期一会の思い出を、大勢の心に刻んできた。節目の記念に「39(サンキュウ)特別コンサート」が9日、キッセイ文化ホール(同市水汲)で開かれる。
毎晩の開演は、宿泊客の多くが夕食や入浴を終えた午後8時半。館内着姿のくつろいだ顔触れが古民家風の湯上がり処に集い、手をたたき、歌を口ずさみ、体を揺らす。フォーク、歌謡曲、クラシックなど多彩なジャンルの地元演奏家30組ほどが、日替わりで立つ。
コンサート中盤には、宿のイメージソング「風の誘い」を出演者と観客全員で歌う、恒例の時間が訪れる。泊まり合わせた同士が声を合わせる、温かいひととき。父に次いで〝2代目専属歌手〟を名乗る社長の山﨑広太さん(41)が先導し、「1回で覚えきれなかったら居残り練習になります」と冗談を交える。
温泉街の寂しさを残念がる客の声を受け、「楽都・松本」らしい旅の思い出作りになればと、2000年から始めたコンサート。発案者の女将、山﨑圭子さん(67)は「喜んでもらいたい一心で、気が付けば25年」。ピアニストとして15年ほど前から出演してきた新井美那子さん(安曇野市)は「1組だけの日も満席の日もあったが、観客との距離が近く反応がじかに伝わる場」と話す。
「毎回盛り上がる。出演者との再会も楽しみ」と群馬県の常連客。リピーターも多い。
空席があれば宿泊者以外も入れる。女将の圭子さんは「地域の人も気軽に足を運んでほしい」という。
「39特別コンサート」は午後1時半~3時半。入場無料。手仕事屋きち兵衛さんら長年出演する演奏家や、宿の従業員らによる特別バンドなどが出演予定。無料だが入場整理券が必要(電話で申し込む)。玉之湯TEL0263・46・0573