「どこにもない」を「今ここ」に 松本のセレクトショップnowhere 榊原さんとサムさん開く

「松本にまだない店を、今ここに」。そんな思いで名付けられた、家具と雑貨などのセレクトショップ「nowhere」が1日、松本市大手4の縄手通りにオープンした。市内にあった同様の店で店長を務めていた榊原奈緒さん(31)と、同じ店で働いていたパートナーのサムさん(29、本名非公表)が、経験を生かして営む。

パルコ閉店を機に二人で独立

手書きのような、ゆるいフォントで店名が書かれた木の看板が目印。飲食店だった物件を改装した広い店内には家具をはじめ、反射板やリュックなどの自転車雑貨、一風変わったデザインの焼き物やカラフルな食器など、多種多様な商品が丁寧にディスプレーされている。テーマは「間口を広く」。ジャンルに縛られない、自由な品ぞろえが売りだ。
榊原さんとサムさんは、昨年2月に閉店した松本パルコ内のテナント店「デイリーズ」(本社東京)から独立。当時取引があったブランドや、自分たちで選んだ商品を扱う。普遍的なデザインが人気の家具ブランド「カリモク60」は県内2店目の正規販売店になり、遠方からも客が訪れる。
商品選びの基準は、ほかにないデザインや、作り手のこだわりや思いが感じられるような「唯一無二さ」。大量生産でない、丁寧に作られた製品を大切にしている。

「家具って面白い!」。松本出身の榊原さんは2022年からパルコのデイリーズで働き、若者やお年寄り、カップル、カルチャー好きな人など客層の幅広さと、「家具選びを通じてお客さんの人生に寄り添うような感覚」に魅了され、いつか自分の店を持ちたいと思うようになった。
サムさんも松本出身。愛知県での学生時代に「かっこいい店」を知るようになったという。「かっこよさとは、店主のスタンスや在り方。いつか自分も『かっこいい』と思ってもらえるような店を持ちたい」。2人の思いとパルコ閉店のタイミングが重なり、独立へ動き出した。

英語の店名は「now here」(今ここ)と「nowhere」(どこにもない)のダブルミーニング。店内のカウンターではビールも提供する。「何の店か分かりにくいが、来店の目的は自由でいい。ジャンルはあなたが決めて」とサムさん。榊原さんは「商品を見ながら飲んでも、ちょっとした休憩でも気軽に過ごしてほしい」と話す。
午前11時~午後6時。不定休。TEL090・3333・3670