[創商見聞] No.47 米澤 愛華(café et gâteaux le perchoir /ル・ぺルショワール )

―お菓子作りが好きだった
 子どものころからお菓子作りが大好きでした。若いころ経験したつらかったことも、「お菓子の優しさ」に癒やされ助けてもらったことがあります。高校時代にパティシエを夢見ていました。
 社会人になり、一度は別の業種の仕事もしました。しかし気持ちは揺るがず、製菓の専門学校に入り、卒業後製菓店へ就職しました。
 店長経験を経て、先輩が独立する際にその補佐をするなど、自分の将来のために勉強をしてきました。
 結婚して、事務的な仕事もしましたが、いつかお菓子の仕事がしたいという夢を抱き続けていました。
 仙台に住んでいた時は夢を実現させるため、「ちっちゃいビジネス応援塾」という市が民間に委託し開いていた単発16時間の創業セミナーを受講しました。
 その時初めて創業計画書を作成しました。起業の難しさを肌で感じましたが、実践の勉強にとてもなりました。
―セミナーで出会いが広がった
 夫の転勤を機に、後に店舗となる現在の住居を塩尻市で探しました。夫の姉の家族もこっちにいたことは安心材料でした。マイホームを計画する中で、店舗兼用も浮上しプランニングをスタートしました。 
 同時に塩尻商工会議所に相談し、あらためてセミナーを受講しました。資金計画、売上計画など再度練り直しましたが、仙台で勉強してきたことなど役に立ったことが多かったです。
 「細部にわたって計画が行き届いている」と商工会議所担当者から言われたことはうれしかったし、その後もスムーズに進行していきました。
 また、セミナーなどで良い出会いもありました。表札デザイナーの吉江ヒロさん(家印―iejirushi―代表・ 2018年11月24日付クロスロードに掲載)と出会い、お店の看板も作ってもらいました。主人がデザインしたものを、形にしていただきました。とても気に入っています。
また一部のコーヒー豆は、セミナーで出会った仲間から仕入れたものを使用しています。
―優しさあふれる店内。工夫した点は
 店名にもなっている「止まり木」をメインコンセプトに、羽休めにそっと立ち止まってもらえる空間づくりになるよう、水色と白を基調に設計しました。初めてのお客さまにも、お店に緊張しないよう分かりやすいレイアウトにし、ほんの少しでも羽休めしてもらえるよう配慮し工夫しました。
―お菓子やコーヒーへの愛着
 水がおいしく緑も多い塩尻の農家さんから分けていただく果物は特別。それらで作る季節物スイーツや、定番のティラミス、チーズケーキなど含め、常時8種ほどのケーキや焼菓子をご用意しています。
  コーヒーは全て(デカフェ除く)エスプレッソで抽出しています。
 エスプレッソは天気や湿度のほか、さまざまな要因で味に変化が出やすいので、グラインダーのひき加減などで細かく調整をしています。
―今後は
 オープンして1年半、一人で営む難しさも痛感しました。混雑時にお待たせしてしまうこともあり、申し訳なく感じています。現在は新型コロナウイルス禍の最中。不安で不規則になっていますが、止まり木のコンセプトにぶれず、羽休めの空間を提供できるよう努力していきます。

【よねざわ・あいか】 39歳、千葉市出身。製菓衛生師、2010年コーヒーインストラクター2級取得。2018年11月、ル・ぺルショワールを開業。

café et gâteaux  le perchoir ル・ぺルショワール   塩尻市大門79-14    ☎0263‐88‐6943   ※一人運営のためお電話に出られないことがございます。 ※現在、新型コロナ感染対策のため、テークアウト、週末営業、オンラインショップなど変則的に営業中。ホームページ、SNSなどで随時最新情報公開。