小学生軟式野球の第41回信濃毎日新聞社旗争奪中信地区学童大会(松本市少年軟式野球連盟主催、信濃毎日新聞社・信毎中信地区販売店会後援)は10日、準決勝以上を松本市神林農村広場で行った。決勝は3年ぶりの同市勢対決となり、寿ヤングバードが明善少年野球を16─2で破って3年ぶり、大会最多11回目の優勝を果たした。
決勝は寿が初回、3番長澤勇虎(はやと)(寿6=以下同)の中越えソロ本塁打で先制。2回は1死満塁から9番上島圭斗、2死満塁から長澤がそれぞれ適時二塁打を放ち、さらに2死二、三塁として暴投や4番小松大飛の適時打で一挙6得点。
明善もその裏、4番市川聖己(いぶき)(明善5)のソロ本塁打で反撃を始め、3回は1番板花夢(む)裟志(さし)(同6)にもソロ本塁打が飛び出したが、6回に再び寿の打線が爆発。8番曽根悠希(寿6)の中前打を皮切りに4連続安打し、4連続四球の押し出しなどで8点を加えた。
寿先発の曽根は2本塁打を浴びたものの、打たせて取る投球で5回まで46球と強力打線を手玉に取った。時間制限(1時間20分)で最終回になった6回に登板した小松も、2奪三振の力投で抑え切った。
準決勝は寿が山形キヨミズを7─5で、明善が高出スポーツ少年団(塩尻市)を5─1でそれぞれ破った。大会は29チームが出場。3日間のトーナメントで争った。
走攻守で実力16得点で大勝
今季ここまで、松本市少年軟式連盟が主催・主管した5大会すべてを制し、今大会は異例のスーパーシードで準々決勝から登場した寿。6年生10人のうち4人が市選抜「松本ライオンズ」のメンバーでもある実力を、走攻守にいかんなく発揮した。
主将の戸田は「基本に忠実に練習してきた成果」と胸を張り、上條正志監督(58)は「ミスを少なくし、皆で守り切ったのが勝因。浮かれることなく、次の大会も優勝できるように一層の努力を」と選手に呼び掛けた。
一方の明善は、2007年に寿台少年野球と明成キッズの合併で誕生して以来、初の頂点に手が届きそうな所まで来た。しかし、6年生が3人で4、5年生が半数以上を占めるチームは「気負いすぎて、守備の乱れを最後まで立て直すことができなかった」と市川直樹監督(46)。
それでも、準々決勝までの3戦をすべて2桁得点で勝ち上がった打力の一端は、決勝でも見せた。「ここまでよく頑張った」(市川監督)選手たちは、経験を積んでたくましさを増すだろう。
○…寿・須山丈慈(寿6=2番・内野手として攻守に活躍し、大会最優秀選手に)「守備が評価されたのはうれしい。決勝はいい形で打線がつながった。みんなで勝ち取った優勝」