【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#23 季節の移ろい「フキノトウ」を食す

「春よ、来い」―。立春をはるかに過ぎてもなかなか暖かくならない信州。大好きなアーティストの曲をよく口ずさみます。
農を生業にしていると、季節の移ろいに自然と敏感になります。残り雪を少しどけるとフキノトウがありました。当地では「ふきぼこ」と呼ぶようです。やはり方言は良いですね、そのまんまです。春の足音が確かに聞こえます。季節をいただくために自家製みそに刻んで、ふきみそ。ごはんが進みます。夜には日本酒のお供に天ぷらでいただきます。
「旬には、はしり、盛り、名残がある」と和食の本で習いました。とても日本的ですてきな表現だと思いませんか。この時季は「盛り」でしょうか。心なしか苦味もワイルドに感じます。旬真っ盛りを大事にいただきます。
農閑期もここまで。3月になると田んぼの準備が始まります。何か差し迫ってやることはまだ先なんですが、気ぜわしくなります。農機具の整備や田んぼのあぜの心配などなど。農作業は作物の旬のように季節を感じながらやるから面白いです。今年もうまくいくかな。