【野遊びのススメ】#25 光城山で犬とトレッキング

ルールを守り快適に

犬を連れてトレッキングを楽しむ人が増えている。柴犬を飼う記者もやってみたいと思うが、出会った人にほえる、飛びつく、排せつ物を持ち帰らずトラブルになったという話も聞き不安も…。そこで専門家と一緒に、安曇野市豊科の光城山に挑戦してみた。

強まる絆 ストレス解消にも

同行してもらったのは、人と犬がトレッキングできるコースを案内する横田耕太郎さん(59、同市穂高有明)、犬と一緒に滞在できる「お宿たんたん」(同)の中村鏡子さん(53)と看板犬・びぃた(雌、9)。ふんを入れる袋、水、おやつなどをリュックに入れ、待ち合わせ場所に向かった。
普通にリードを持って現れた記者に、「両手は空けて」といきなり中村さんから駄目出しが。転んだときにリードを離してしまい、犬が逃げたり自分がけがをしたりする可能性があるからだという。
横田さんからは「犬が嫌い、怖いという登山者もいるので、人が来たら必ず道を譲って」と言われ肝に銘じた。
駐車場から桜並木などを5キロほど歩くことにした。記者の愛犬・ふうまは、初めての山に興奮気味。においをかいでばかりで、なかなか進まない。見かねた中村さんが連れて行くことになった。
横田さんは登山ガイド、中村さんは信州大のワンダーフォーゲル部出身。中村さんは月に1度は犬とのトレッキングを楽しんでいるという。一方、運動不足の記者は、ついていくだけで精いっぱい。それでも所々から見える北アルプスや安曇野の眺望、チョウや花に心が癒やされる。
びぃたを見ると、首輪だけでなく胴輪も付け、リードも2本ある。中村さんはそれを登山用のカラビナで、体に巻き付けたひもとつなげている。理由を尋ねると、「近所なら家に戻れるけれど、初めての場所での脱走は、2度と会えなくなることが多いから」。
2時間ほどで駐車場に戻り、休憩しながら話を聞くことにした。
横田さんは「ハイキングコースには鎖場、はしごがある場合も。事前調査を」、中村さんは「真夏は犬が熱中症になりやすいので避けて」。2人は「山道は狭いので、桜の季節など人が増える時期は見合わせた方がいいかも。熊鈴も必需品」とアドバイスする。
ルールを守って歩けば犬との絆が強まり、人間の運動不足やストレスの解消にもなるなどメリットが多いことが分かった。次は単独で挑戦してみようかな。
横田さんは、明科地区にペットと一緒に歩けるコースの整備を計画中。横田さんTEL090・8700・4559、お宿たんたTEL0263・87・1419