【ガンズリポート】マッチレビュー 22節・8月27日 山雅1-0讃岐

2年9カ月ぶりの声援

サンプロアルウィンに2年9カ月ぶりに“声の援軍”が復帰した。声出し応援エリアが設けられたこの日、ホーム側の南側ゴール裏には山雅サポーター約2000人が陣取った。声の後押しを受けてチームは競り勝った。

歌い叫び鼓舞 ピッチで選手も「感動」

「ごぶさたしております」。試合前、サポーター組織「ウルトラスマツモト」のコールリーダーが拡声器で呼びかけた。「1000日ぶり。きれいにやんなくていい。でかい声でやろうぜ」
選手がいいプレーをすると、すかさず個人のチャント(応援歌)を歌い、名前を叫ぶ。声出しできない時にはなかった臨機応変さで鼓舞し続けた。
DF大野佑哉は、自分へのコールがよく聞こえたという。「今のプレーは、やっぱりよかったんだと思えた」。初めてピッチで聞く声援に「試合前の練習から感動した」。
やはり初めてサンアルで声援を受けたFW横山歩夢は「チャントのリズム感が合っていて、気分よかった」。前半に決勝点を挙げた。
MFパウリーニョは「saudade(サウダージ)」と口にしてにっこり。ポルトガル語で「恋しかった」という意味合いだ。
スタンドで本来の応援の楽しみを満喫した本庄弘子さん(71、安曇野市)は「声がかれました」。夫の武夫さん(71)と勝利を見届け、「選手に気持ちが伝わった感じがした」。
声出し禁止席で声援を聞いた田中洋子さん(51、佐久市)は「鳥肌が立った」という。サンアルの雰囲気に引かれ、8年ほど通っている。「うらやましいね」と娘の楓さん(24)とうなずき合い、自分も声を出せる日を心待ちにしていた。