【ガンズリポート】サンアル芝の具合は?

管理担当・小穴さん「例年よりいい状態」

J3松本山雅FCは26日、今季のホーム開幕戦でテゲバジャーロ宮崎と戦う。舞台となるサンプロアルウィンの芝の具合はどうだろう?3月半ば、ピッチに降りて確認した。
真っ青な空に劣らない、鮮やかな緑が広がっていた。素人目にはすでに準備万端に映るが、「端っこがちょっと茶色いですよね。シートがかかっていなかった所です」。専門家らしく指摘したのは、信州スカイパークサービスセンターの小穴明(あき)生(ら)さん(40)。山雅が反町康治監督だった時代から、芝の管理を担当している。
ピッチの芝は冬の間、2重にビニール製のシートがかけられる。上が黒い「保護シート」で、下が半透明の「養生シート」。昨シーズンが終わった後、3カ月余り芝を守り続け、保護シートは3月第2週、養生シートは翌週の取材前日に外された。
長い眠りから覚めたばかりというのに、芝は元気そうだ。「気温が高めなおかげで、今年は例年より芝の状態がいい」と小穴さん。
これから芝の葉が立ち上がり、成長が始まる。肥料や水やりで全体を整え、芝刈り機で長さをそろえ、今季初の試合を迎える。小穴さんたちにとっても、管理に気を使う今季の始まりだ。

シーズン中の日課は毎朝の水やり。肥料も適宜施す。芝が旺盛に育って詰まり気味になったところは、間引きの作業をし、ピッチが硬くならないようにすることもある。
試合当日の水やりは、選手のプレーやボールが転がる速さに影響するため、山雅の運営担当の指示で行う。
試合中、注意を向けるのは、選手やボールより芝の状態だ。傷んだ所は、ハーフタイムにも手入れをする。試合後、ピッチ上をきれいに掃除し、スパイクでえぐれた箇所には、種が入った砂を入れる。
試合で傷みやすい所はだいたい決まっているという。選手が密集しがちなゴール前は当たり前として、意外なのはメインスタンド側のサイドだ。屋根で西日が遮られる分、芝が弱くなる。サンアルの特徴だ。
シーズン中では、夏場が難所だ。サンアルの寒冷地向けの冬芝は、暑さに弱い。うまく管理しないと、秋口に枯れが目立ってきてしまう。
「ピッチとして一番いい状態を保つように心がけている」と小穴さん。それでも、植物としての芝の盛衰はあり、「6、7月がきれいですね」。シーズン半ば、チームが成熟する頃、ピッチも“見頃”を迎える。