【眺めてみれば】#31 かや場に小谷の文字(小谷村)

郷土愛の遊び心楽しいアート

農村公園・キャンプ場の「眺望の郷」(標高約千メートル)は、好天なら北アルプスが一望できる絶景スポットだ。西を見て手前の山に視線を移すと、巨大な「小谷」の2文字が見える斜面がある。
文字があるのは姫川を挟んだ村の西側、雨中(うちゅう)林野組合が管理するかや場。組合員の小林幸由さん(77、中小谷)が数年前から組合の承諾を得て、文字の形に刈っている。文字の太さは約5メートル、「小」の縦線は長さ約30メートル。初夏から秋まで3回ほど刈り込み、対岸の高い位置から確認しては形を微調整している。
かや場を活用し、自分が生まれた同村中土の土谷地区などから文字アートが見えたらいい―。遊び心と郷土愛で数年前から始め、「皆さんも楽しんでくれりゃあいいけど」と小林さん。かやが枯れる秋、初雪後、春の野焼き後など季節で文字色が変わり、「雪が覆う真冬以外はずっと楽しめるよ」。